ifには、大きく分けて「~かどうか」と「もし~なら」の2つの使い方があります。
仮定法を言えるようになる前に、まずは「~かどうか」と「もし~なら」を使い分けられるようになることが大切です。
仮定法は、混乱するようならまずは仮定法過去だけを覚えましょう。
過去完了が不安なら、先に過去完了を固めるべきです。
覚える順番にifをまとめてありますので、上から読み進めてみてください。
このページをマスターすれば、ifはもうあなたのものです。
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LV1 ifを見たらこの順番に考える
ifを見たら、まずはそのifが「~かどうか」なのか、「条件」なのかの判断をしましょう。
これが頭にあるかどうかで、読解力はもちろんのこと、表現力も大きく変わってきます。
勉強をしている人ほど、wetherを使ってしまいがちですが、ネイティブは発音が楽なifを使います。
不要なところでwetherを使うと、お堅いわけです。
「~かどうかのif」は、表現は簡単ですが、言えたら英会話レベルが高いですよ!
LV1 ~かどうかのif (=wether)
「~かどうかのif」は、名詞節を作ります。
名詞節を作るということは、動詞の目的語になります。
ということは、難しいことを考えずに、I don’t know if ~と言ってしまえる、ということですね。
時制
時制については、特別なルールはありません。
表現したい内容に応じて、過去でも未来でも変化させましょう。
上記の例文の時制を変化させたものを少し挙げておきます。
I don’t know if she came.
彼女が来ていたかどうか、知らないよ。
I didn’t know if she came.
彼女が来ていたかどうか、知らなかった。
I wonder if I will be able to sleep tonight.
今夜眠れるかどうか、わからない。
便利な表現
表現として、下記を覚えてしまうと便利かもしれません。
I don’t know if she is coming.
彼女が来る(ことになっている)かどうか、知らないよ。
I wonder if I can sleep.
眠れるかどうかわからない。
Let me see if I can figure it out.
私に答えを見つけられるかどうか、考えさせてね。
I doubt if anyone will be interested in the program.
このプログラムに興味を持つ人がいるかどうか疑問だ。
I’m not sure if I understand your question.
キミの質問が理解できているかどうか確かじゃないんだ。
I don’t know. や、I’m not sure. としか言えないよりも、何を知らないのか、何が不確かなのかを説明できたほうが、相手に信頼されます。
「あぁ、この人はきちんと話を聞いて、理解してくれているな」と感じてもらうことが重要なのは、日本語の会話でも変わらないことと思います。
もし~なら 条件のif (=condition)
条件のif は、LV2以降の仮定が少し複雑です。
ルールは明確なのですが、不確かなまま全て一気に覚えようとして混乱すると苦手になりますので、LV1から着実に覚えましょう。
まず、「掃除をしたら、彼女を呼べる」を例に、全てのパターンの文法を紹介します。
自信のある人は知識の整理に使って下さい。不確かな人は、LV1が定着したらLV2に取り組みましょう。
条件のif 文法 | ||
---|---|---|
if節 | 主節 | |
LV1 達成可能な条件 | 現在形 | will/can/may+ 原形 |
LV2 現在の仮定 (達成するつもりのない、もしくはできない条件) | 過去形 | would/could/might+ 原形 |
LV3 過去の仮定 | 過去完了 | would/could/might + have+ 過去分詞 |
条件のif 肯定文と否定文 | |
---|---|
達成可能な条件 | If I clean, I can invite her. |
掃除をしたら、彼女を呼べる。 | |
If I don’t clean, I can’t invite her. | |
掃除をしなかったら、彼女を呼べない。 | |
Even if I clean, I can’t invite her. | |
掃除をしても、彼女は呼べない。 | |
理論上の条件 (達成するつもりのない、もしくはできない条件) | If I cleaned, I could invite her. |
掃除をしたとしたら、彼女を呼べる。 | |
If I didn’t clean, I couldn’t invite her. | |
掃除をしなかったとしたら、彼女を呼べない。 | |
Even if I cleaned, I couldn’t invite her. | |
掃除をしたとしても、彼女は呼べない。 | |
過去の条件 | If I had cleaned, I could have invited her. |
掃除をしていたら、彼女を呼べたのに。 | |
If I hadn’t cleaned, I couldn’t have invited her. | |
掃除をしていなかったら、彼女を呼べなかった。 | |
Even If I had cleaned, I couldn’t have invited her. | |
掃除をしていても、彼女は呼べなかった。 |
LV1 達成可能な条件 「掃除をすれば、彼女を呼べる」
この表現は、自分が行うつもりがあること、もしくは現実的にあり得る条件について使います。
基本的には、can will may を使って、「条件が整ったらどうなんだ」を示すのがお約束です。
can will mayで、気持ちを表現しましょう。
助動詞に込められる気持ち | |
---|---|
can do | もし~なら、do できる |
will do | もし~なら、do する、do だろう |
may do | もし~なら、do かもしれない |
If I clean, I can invite her. | 掃除をしたら、彼女を呼べる (だから、頑張って掃除をしようかな)。 |
If I clean, I will invite her. | 掃除をしたら、彼女を呼ぶぞ (もう呼ぶことは決めてるから、さっさと掃除をしよう)。 |
If I don’t clean, I may be disliked by her. | 掃除をしなかったら、彼女に嫌われちゃうかもしれない。 (でも面倒だな、どうしようかな) |
willだけで説明されている教材もありますが、willしか使えないわけではありません。
I‘ll pay you double if you get the work finished by Friday.
もし金曜までに終えてくれたら、2倍払うよ。
I‘ll tell you if I don’t understand.
分からなかったら言うね。
If we miss the last bus, we’ll have to walk home.
もし最後のバスを逃したら、歩いて帰らなくちゃいけないぞ。
You can come and stay with us if you want.
もしそうしたいなら、一緒に来てしばらく過ごして/泊まってもいいんだよ。
ちなみに、willは「意思」「そうするつもりだ」の意味で使われることが多いことを知っておくと捗ります。
便利な表現
I am sorry if I’m disturbing you..
お騒がせしていたらすみません。
Do you mind if I turn the TV off?
テレビ消してもいい?
We are ready to fight for our rights if necessary.
必要ならば権利のために戦う準備はできている。
I should like to be back here by 10.30 if possible.
可能なら、10時半には戻らなくてはと思っているよ。
LV2 現在の仮定「もし掃除をしたら、彼女を呼べる(掃除しないけど)」
仮定が入る表現です。文法用語では、仮定法過去といいますが、覚えなくてOKです。
日本語でも、「もしもっと身長があったら、もっとモテるのになぁ」なんて言いますよね。
この、仮定をするときに、過去形を使っていることに着目してください。
英語でも、仮定をするときには過去形を使います。
現在の話をするときにあえて過去形を使うことで、「現実にはありえないこと」「するつもりがないこと」を表現するのです。
if I werea boy, I would drink beer with the guys and chase after girls.
Beyoncé Official Website
もしあたしが男の子だったら、あいつらとビールを飲んだり、女の子の尻を追い回したりするのに。
このビヨンセの If I were a boy はずっと仮定法での語りなので、仮定法に慣れるのにちょうど良いかも知れませんね。
If I cleaned, I couldinvite her.
もし掃除をしたとしたら、彼女を呼べるのにな。
(掃除なんて面倒だからするわけないけどね/間に合わないから、掃除もできないけどね)
If I cleaned, I would invite her.
もし掃除をしたとしたら、彼女を呼ぶのにな。
(掃除なんて面倒だからするわけないけどね/間に合わないから、掃除もできないけどね)
If I didn’t clean, I might be disliked by her.
もし掃除をしなかったとしたら、彼女に嫌われちゃうかもしれないな。
(几帳面なこの俺が掃除をしないなんてありえないけどね)
形は過去形ですが、過去の話はしていないことに注意してください。
また、can will may も、過去形になることで、あり得ない話をしていることを表します。
I wouldn’t work for them (even) if they paid me twice my current salary.
もし倍の給料を払ってくれたとしても、彼らのためには働かないよ。
It would be a pity if they had to cancel the show.
ショーをキャンセルしなければならないとしたら残念だ。
if説が現在の仮定で、主節が過去の話をすることも、当然できます。
If I knew, I would have said that.
もし知っていたら、(あの時に)言っていたよ。
(あの時も、今も知らない)
LV3 過去の条件=仮定「もし掃除をしていたら、彼女を呼べたのに」
こちらは過去の仮定です。仮定法過去完了といいます。
LV2の現在の仮定で、現在の話に過去形を使っていたので、過去の話をするには過去形と区別しなければいけません。
そのため、過去の仮定では、過去形ではなく、「had + 過去分詞」の過去完了形を使います。
主節に助動詞のwouldなどが入るのは現在の仮定と同じ。
助動詞の後なので、「had + 過去分詞」のhadが原形になります。
If I had cleaned, I could have invited her.
掃除をしていたら、彼女を呼べたのに。
(実際は掃除をしておらず、彼女も呼んでいない。後悔している。)
If she hadn’t called, I wouldn’t have known.
彼女が電話をしていなかったら、それを知ってはいなかった。
If I had known my life was going to turn out like this, I would have let them kill me.
もし人生がこんなことになると知っていたら、彼らに私を殺させていたのに。
過去の仮定に、現在の結果を合わせることもできます。
If I had been born into a royal family, I would be a king by now.
もしどこかの王族として生まれていたら、今頃は王になっていたのに。
LV3 普遍の事実「水は100度になったら蒸気になる」
普遍の事実については、主節でwillなどの助動詞は使いません。
ですが、これは仮定法のルールというよりも、もっと根幹的なルールですね。
Water boils at 100 °C.
水は100度で沸騰する。
If water is heated to 100°C it turns to steam.
水を100度まで加熱したら、蒸気になる。
If I don’t get enough sleep I get a headache.
もし睡眠時間が足りなかったら、頭が痛くなる。
まとめ
ifには「~かどうか」と、「条件」があることをまずは覚えましょう。
条件のifは、「達成可能な条件」と、「仮定」があります。
仮定の文法はルールがありますので、しっかり覚えましょう。
自信のある人は知識の整理に使って下さい。不確かな人は、LV1が定着したらLV2に取り組みましょう。
条件のif 文法 | ||
---|---|---|
if節 | 主節 | |
LV1 達成可能な条件 | 現在形 | will/can/may+ 原形 |
LV2 現在の仮定 (達成するつもりのない、もしくはできない条件) | 過去形 | would/could/might+ 原形 |
LV3 過去の仮定 | 過去完了 | would/could/might + have+ 過去分詞 |
普遍の事実については、現在形になります。
以上、ifの使い方でした。
文法に不安のある人はこちらも見てみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。