会話ですぐ出る、身につく単語帳の覚え方

会話ですぐ出る単語の覚え方勉強法

この記事では、本当に覚えられる単語帳の使い方、会話ですぐ出る覚え方のコツをお伝えします。
「単語帳嫌いだなぁ」
「暗記してもすぐ忘れちゃうんだよなぁ」
そういう人多いですよね、わかります。
そして、せっかく単語帳をやっても、会話で使える自身がない人がほとんどなんじゃないでしょうか。

僕は、怪我で寝込んだのをきっかけに、10冊の単語帳をこなしました。その経験から、単語帳の覚え方のコツをお伝えします。忘れにくく、言いたいことが瞬時に出てくる覚え方です。取り組む順番で書いてありますので、難しそうだなと思っても、まずは読んでみてください。

考え方の全体像はこうです。

正しい発音を身につける

その発音を元に音で覚える

イメージで意味を覚え、五感と感情をその音に結びつける

使わないと忘れるので、使う

1日後、3日後、7日後、30日後に復習する

季節の変わり目に復習する

正しい発音を身につける

発音からやる理由

では、単語帳の話をしているのに、なぜ発音から始めなくてはいけないのでしょうか。それは、覚える作業をするときに、正しい発音がわかっていると、覚えやすく、忘れにくいからです。

単語帳をやるときは、発音しながら覚えるのがいいんです。口の動きを覚える。耳に入ってきた自分の声を覚える。それを、覚える単語に関連付けることで、記憶が強化されるんです。

単語を聞いたときにも瞬時に反応できるようになるので、ヒアリング対策にもなります。しゃべるときも、ネイティブやその他外国人にしっかり伝わります。

正しい発音ができなければ、覚えたとはいえない

日本語の訳だけ暗記するのと、単語を「モノにする」ことには、大きな違いがあります。単語を「モノにできている」とは、こういうことです。

  • 目に入った瞬間に意味がわかっている
  • 耳に入った瞬間に意味が浮かんでくる
  • 話したいときに、瞬間的に言葉が浮かんできて、発することができる
  • 発した単語が、相手に正しく伝わる

これができなかったら、英語が使えるとはいえないですよね?

正しい発音の身につけ方

僕はこの方法で発音を独学で身につけました。アメリカ、イギリス、オーストラリアやニュージーランドでも旅をしてきましたが、よく発音を褒められました。「お前が言うことで、わからないことは一つもないよ」なんて言われたこともあります。ネイティブにこんなことを言われたんですから、それは嬉しかったですね。

僕は、帰国子女でもないし、留学経験もありません。それでもそのレベルまでいけるんです。しかも始めたのはアラサーになってから。ですので、独学で大丈夫です。ネイティブのような完璧でなくていいので、正しく伝わるレベルを目指しましょう。

正しい発音を身につけるには、次のような教材を使うのが、効率的で、手っ取り早く、そして安いです。

DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本

この教材のすばらしいところは、次の2点。

  • 口のあけ具合、くちびるの形、舌の位置がわかるイラストがある。
  • ネイティブの発音が確認できる。

まず、イラストを見ながら、口の形を真似して発音してみてください。それから、ネイティブの声を聞いて、自分と何が違うのかを考えます。再度、イラストを見ながら、ネイティブの声に近づくよう発音してみてください。そうすると、自分の声がだんだん、しっかりとした英語らしい発音に変わっていくのが分かると思います。

これを続けていると、はじめは口がすぐ疲れてしまうと思います。実は、この疲れるというのが、とても大事なんです。日本語と英語は、使う筋肉が違います。口が疲れるのは、日本語では使っていない、英語の筋肉が使われている証拠です。あとは、発音記号に慣れることができたら、単語帳の発音記号を見れば、伝わる発音ができるようになります。

僕は所見の単語でも、発音記号も見ないで、単語の綴りだけで概ね伝わる発音ができますし、音だけで綴りを推測できます。そして僕がやったのは、上記の訓練だけです。

なお、このサイトでも発音を身につける記事を書いています。

躍動するイメージで覚える

イメージで覚えるとはどういうことか。それは、頭の中に動作や状況、情景を思い浮かべ、その印象を覚えるということです。

イメージするときは、五感をフルに使ってください。使う感覚が多いほど、記憶が強化されます。そして、感情も結び付けてください。多くの単語には、意味のかたよりがあります。良い気分か、悪い気分か、それだけでも気持ちを結びつけて覚えれば、正しく使えますし、より記憶の回路も強化されます。

(意味のかたより:たとえば、「独身男性」は、選んでそうしている独身貴族のようなイメージがあるのに、「独身女性」は、寂しいイメージで使われがちですよね。)

イメージづくりの具体例とやり方

具体例を挙げます。大学受験で頻出で、誤答率も高いという、”embrace” 「受け入れる」を使って説明します。ぜひ、読みながらやってみてください。

Camblidge dictionaryで引くと、to accept something enthusiastically とあります。何かを情熱的に受け入れるというニュアンスがあって、良いほうへの意味のかたよりがありますね。なので、まずは笑顔になりましょう

あなたが熱をもって歓迎したいのは何でしょうか。あなたが大好きな芸能人が、いきなり学校にやってきて、「希望者にハグしてあげるよ~!」なんて言ったら、embraceしちゃいそうですよね。その芸能人の目がきらきらした感じとか、シャンプーの香りとか、とか、イメージしましょう。

教室の、騒がしい感じとか、まっすぐ並んでない机とか、かるくホコリっぽい感じとか、窓から入ってくる風とか、イメージしましょう。そして、めちゃくちゃに興奮しながら、その芸能人に抱きついてる自分をイメージしましょう。女性だったら柔らかい感触、男性だったらごつごつした筋肉の感触かもしれませんね。

それと、embraceの綴りと、自分の発音を、結び付けるんです。「うおぉぉぉぉ!」
「キャーーーーー!!!」って、喜んでる感じ。

これら全てのイメージを、綴りと、自分の発音に、結びつけるんです。embraceを見ながら、イメージを浮かべながら何回か発音してください。最初に覚えるときは多少時間がかかりますが、思い出すときはあっという間ですよ!

使わないと忘れる。だから使う工夫を

使ってください。使わなければ忘れる。シンプルな道理です。

「でも、使う機会なんかないよ」そのとおりですね。だから、発想の転換をするんです。覚えるときに使ってください。振り返るときに、使ってください。

具体的な「使い方」

目の前に人がいると思って、その単語を使って、英語で何か伝えようとしてみてください。文法なんか気にしなくていいです。世界には、きったない英語で仕事をして、たくましく生きている人がゴマンといます。彼らと日本人の違いは、使えているかどうかです。そして使えるようになるには、使うことです

これにもコツがあります。伝える相手を、できるだけ細かくイメージしてください。場面も、しっかりイメージしてください。そのときの気持ちも、ばっちりイメージしてください。

単語そのものを覚えるときと同じです。それらのイメージが、新しい単語の記憶を補強し、忘れにくく、思い出しやすくしてくれるんです。そのストーリーが出来上がったら、感情を込めて伝えてください。

上記の”embrace”の例だったら、教室で仲のいいクラスメートと、その芸能人の話でもしている感じでしょうか。”I would embrace the opportunity if he/she offered a hug!!”「その人がハグしてくれるなんてことがあったら、飛びついちゃうよ~!!」(超意訳)

ポイント

自分で伝えたいことを考えるというところが肝です。「伝える」というのが言語の基本的な働きなので、あなたは伝える主体にならなければいけません

どうしても思い浮かばなければ、単語帳や辞書の例文をアレンジしましょう。そのときはせめて、状況を自分に置き換えて、「自分はこれを!!伝えたいんだ!!」という気持ちを込めてください。

これが、英語を使う機会のないなかで「使う」工夫です。もちろん、クラスメートや勉強仲間など付き合ってくれる相手がいるんであれば、その人に伝えるのも効果的です。

復習で、短期記憶を長期記憶に

覚えたことは、思い出さなければどんどん消えていきます。

人間の記憶は、短期記憶と長期記憶に別れます。覚えたばっかりの記憶は、短期記憶なので、これを長期記憶に移行させなければいけません。そのためには、反復練習がひつようなのですが、それには、エビングハウスの忘却曲線が役に立ちます。細かい話は専門家にお任せしますが、ここでの肝は、以下です。

復習は、1日後、3日後、1週間後、1ヶ月後にやる!

これを守って復習すれば、効率的に、時間をかけずに思い出して、記憶を補強できます。

付箋とチェックマークを活用しよう

これを単語帳で管理するには、色別の付箋を使いましょう。僕のお気に入りは、ポストイットの付箋です。

  • 細くて一冊に大量に貼れる。
  • 貼りなおしても、糊が強いのではがれない。
  • 文字が書ける。
  • 糊部分が透明なので、文章を隠さない。

百均の安いものもいいんですが、だいたい上記の1つくらいしか満たしていません。

覚えたかどうかの管理は、シャーペンでチェックマークを入れましょう。
1日後の復習で覚えていたら1つチェック。忘れていたら何もつけない。次の日には、やった範囲を全てめくって、チェックがついていないものを復習。
1週間後の復習で覚えていたら、もう1つチェック。忘れていたら、また翌日に確認。1ヶ月後も、同じように。こうして、全てにチェックがつくまでやります。

復習をやったというその行為だけでは、「覚えた」とか「勉強した」とはいえません。使えるようになってはじめて、「覚えた」と言えるんです。全部覚えたら、全ての単語にチェックが3つついているはずです。ここまできたら、長期記憶として覚えられていることでしょう。

ただし、付箋を使っても、忘れている単語のケアは完璧には管理できないでしょう。なので、単語帳を開くときは、かならず過去のページを全てめくる癖をつけましょう。

最低5周はやる

上記の、チェックを3つつけ終わった段階が、1周目です。受験だけなら、1周だけでなんとかなるかもしれません。でも、このブログを見に来てくれた方は、使える英語を身につけたいと思っているんではないでしょうか。

忘却曲線にのっとって復習し、1ヶ月後の最後の復習で、全部にチェックがつけられた。がんばりましたね。すばらしいです。誇っていいと思います。でも、そのままなんにもしないで半年たったら、果たしてそのまま覚えていられるでしょうか。

きっと抜け落ちがずいぶんあることでしょう。それじゃあ、使える英語とは言えないですね。だったら、さらに追い込みましょう。

忘却曲線には1ヶ月の先もあって、次の復習すべきタイミングは3ヶ月後だそうです。なので、季節が変わったら、もう一度復習をしましょう。5周もやれば、完全にモノにしたと言っていいと思います。最低でも、2週はしてください。

そうは言っても1周目がキツい!

そうでしょう。よくわかります。僕自身も、自分の過去のがんばりに対して、よくやったなぁと思います。飽きたり集中できなくなったり嫌になったりしますよね。そういう時は、別の題材で英語に触れるのがオススメです。

例えばこのブログでは、洋書を読むことをおすすめしています。語彙250語から読める本もありますから、単語帳が途中でもとりかかれます。他にも、オーディオブックだったり、動画配信サービスで海外ドラマを見たり、できることはいろいろあります。箸休めにならないかもしれませんが、同じレベルのほかの単語帳をやるのも実は有効だったりします。

洋書が気になる人はこちらの記事をごらんください。
難しくない!はじめての洋書におすすめの本と、その選び方
挫折しない!洋書の難易度の見分け方
オーディオブックが気になる人はこちらの記事を。
【初心者向け解説】オーディオブックが聞き取れない どうすればいい?

別の単語帳をやったり、オーディオブックや海外ドラマで気晴らしをすることには、共通しているメリットもあります。それは、他で見かける回数が多いほど、記憶が強化されやすいということです。

ドラマを見ていて覚えた単語が聞き取れたら、嬉しくなりますよね?洋書を読んでいて、やったはずの単語の意味がわからなかったら、悔しくないですか?(あとで必ず復習してくださいね)こういう気持ちも、記憶を補強してくれるんです。1つの単語帳ではカバーできなかった広がりに気づくこともできます。

正直、1周目はキツいです。でも、頑張ってこなせば、2周目は必ず楽になります。わかる喜びも出てくるので、あとは簡単に続けられるんです。でも、あんまりキツかったら、違う単語帳に目移りしても、僕はOKを出しちゃいます。相性もありますからね。なんでもいいから、まずは1冊、1周しましょう。あなたが学生なら、学校指定なんか、無視していいですよ。覚えるのはあなたなんだし、誰もあなたの頭の中は覗けません。身についたか、つかなかったか、それだけが重要です。

まとめ

以上、単語帳の、本当に覚えられる使い方をまとめました。覚える作業を効率化するために、発音は必ずやりましょう。イメージ作りをして記憶を強化するとともに、誰かに伝えるつもりになって、使う工夫をしましょう。エビングの忘却曲線を壁に貼って、効率よく復習しましょう。そして、1周で満足せず、最低5周はやりましょう。

僕は一気に単語帳を10冊やりましたが、1冊目の単語が3冊めにでてきてすぐに答えられたりすると、気持ちが盛り上がったものです。また読書をしていても、冊数を重ねるごとに今まで飛ばしていた言葉がわかるようになり、成長を実感できました。これは今も続いているサイクルです。

単語は、下積みです。楽しく勉強ができるようになるための、前提条件です。今はつらいですが、これを乗り越えれば、楽しくなるときが、面白い本やドラマや映画や友人に出会えるときがきっとやってきます。

どうかそれまで、がんばってください。応援しています。

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