間違ったシャドーイングは、会話力がつかない!

正しいシャドーイングのやり方勉強法

シャドーイングをやるとリスニングが良くなると言うのは、よく言われているようですが、僕の認識は違います。リスニングのためだけにシャドーイングをやるのは、もったいない!

正しい方法で訓練すれば、スピーキングも、リーディングも、ライティングも、全部向上します。総合力が上がるんです。この記事では、正しいシャドーイングのやり方をお伝えします。

プロセス順に書いていますので、順番に読んでみてください。考え方をしっかり納得してもらえたら、自分流にアレンジして、より効率化することもできるかと思います。今教材が手元にあるなら、実践しながら読んでもらえると、より効果的です。

例文の単語や文法をマスターする

まずは、ひとつだけ文章を選びましょう。選ぶのは、マスターできていない表現や文法があるものの方が勉強になります。選んだら、分からないところがなくなるまで、ネットや文法書や辞書で、その文章を勉強し尽くしてください。

何故か。

それは、わからない文章をいくら読んでも、何も身につかないからです。リスニング力がついて、単語が聞き取れても、意味が取れなかったら意味がないですよね?

マスターしている文章をシャドーイングすることではじめて、その文章をそのままあなたのものにすることができるんです。

ゆっくり読んでみる

文章をマスターしたら、音声を聴き始める前に、自分で読んでみましょう。上手じゃなくていいんです。ネイティブじゃないんだから。その時点でも、何が足りないか、みえてくるものもあると思います。

「発音がまだまだだ。」「文法がまだ難しいな」「イントネーションはどうするんだろう」こういう心の準備があることで、音声を聞いたときに、何を直したらいいかが、より良くわかるんです。

音声を聞いて、何が違うか、できていないか確認する

次は、音声を聞きましょう。文章は見ないで。さて、どんなところが自分と違ったでしょうか。

発音の違い

ネイティブと違うところを修正していきましょう。はじめは英語の筋肉が発達していないので、うまくいきません。日をまたいで繰り返し行い、体で覚えて、ネイティブに似せていきましょう。

どうすればいい発音ができるようになるのかわからない人は、下記のページにやり方が詳しく、納得してもらえるように書いてありますのでご覧ください。すでに舌やくちびる、口腔の使い方のイメージが持てている人は、そのまま進んでください。

英語の発音を身につけるのに重要な気付き【無声音】
会話ですぐ出る、身につく単語帳の覚え方

文章の意味がわからない、スピードについていけない場合

最初のプロセスでやった勉強で、分かったつもりになっていても、ネイティブのスピードで話されると、意味が捉えられないかもしれません。

大丈夫です、次のプロセスでシャドーイングに入りますが、そこで練習するうちに、分かるようになりますから。不安だったら、もう一度文章をみて、ゆっくり読んで、不明なところがないか確認してください。ゆっくり読めば分かるのであれば、次に進んで大丈夫です。

イントネーションの違い

これもシャドーイングで鍛えるところなので、今は上手でなくて大丈夫です。次に進んでください。

リンキング、リダクション、フラッピングが聞き取れない場合

リンキングとは、単語同士がつながって発声され、音が単体のときと変化することです。(kind of が、「カインダブ」のようになる)

リダクションとは、ほぼ聞き取れないレベルにまでボリュームが下がっているか、そもそも発音されていないことをいいます。(kind of が、「カインダ」のようになる)

フラッピングとは、tの音がrになることを言います。(shut upが、「シャラップ」のようになる)

これらは、そもそもこういう現象があることを知らないと対応できないと思います。例文にこれらが含まれていないか、意識してもう一度聞いてみてください。無いことがわかったら、もしくはどこにこれがあって、どう変わっているのかがわかったら、次に進んでください。

実践と注意点

それでは、音声とほぼ同時になるくらいの勢いで、喋ってみてください。目指すのは、音声の完全コピーです。発音の仕方も、イントネーションも、リンキング、リダクション、フラッピングも、全部再現してください。

どうでしょう、1回で完コピできましたか?

ポイントは、文章の意味、伝えられている情報を、はっきり意識して、誰かに伝えるつもりでやることです。日本語が浮かんでしまってはだめです。英語のままイメージして、それを伝えているつもりでやってください。英語のままイメージする具体的なやり方は、下記で解説しています。

英語を英語で理解できるようになる、その方法

どうしても、音声のスピードでしゃべれなかったら、後からゆっくり喋れば十分です。それもリピーティングという立派な技法です。ほとんど同じ効果が期待できます。安心して次に進んでください。

100回繰り返す

さて、1回では完全コピーできなかったことかと思います。情報を伝えられているつもりにも、まだまだなれないんではないでしょうか。だったら、繰り返しチャレンジしましょう。

100回というのは、ものすごい数字に見えるかもしれませんが、実践した私からすると、大げさな数字ではありません。そして、ちゃんと意味があります。

まず、やっていると20回くらいでもう口が疲れてくるでしょう。これは、日本語では使わない筋肉を使っている証拠です。正しい訓練ができています。おめでとう!疲れすぎていたら、無理しないでいいので、また明日やってください。

50回くらいで、勉強した文法が、「頭で理解している」から、「体でわかる」感覚になりはじめたんじゃないでしょうか。これは、学校でお勉強しているだけでは、なかなか身につかない感覚です。英語は道具ですから、勉強ではなくて、訓練が必要なんです。スポーツと同じ。だから、反復練習してください。

100回目には、完全に同時進行で、音声との綺麗なハーモニーになっていることと思います。「もう、音声はいらないな」なんて気分になっているんじゃないでしょうか。もう体で覚えている。これこそが、このシャドーイング法の目的なんです。

ここまで体に染み付いたら、この表現は反射で出てきますよね?だから、目にした瞬間に、もう理解しているし、聴いた瞬間に、もう返事ができるんです。

まとめ

正しい方法でシャドーイングをすれば、英語力の全ての要素が向上します。発音や文法を、体で研究し、体で覚えるのがシャドーイングです。体で覚えるから、とっさのインプットにも反応できる。日常動作やスポーツと同じですね。

僕自身、これをやったから、ネイティブに通じる英語がしゃべれるようになりました。洋書も読めるようになったし、30カ国で現地の人と楽しく話して、仲良く過ごして、友情を築いてきました。本当にやって良かったと思っています。

きちんと発音と意味を理解して、その上でたくさん繰り返しましょう。本当に効きます。だまされたと思って、例文1つだけやってみてください。きっと効果を感じてもらえると思います。そしてそれを続けていけば、あなたも英語話者の仲間入りです。あなたが楽しい英語ライフを送れるよう、応援しています。

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