今回の記事では、英語を英語のまま理解するとはどういうことなのか、それを、上辺の理解ではなく、心の底から理解してもらえるように解説します。
具体的なやり方をまじえて解説していますので、この記事を読んで、身につけていってください。
英語で理解するとは、イメージで理解すること
英語のまま理解するとは、頭の中で単語を日本語で訳したり、文法を日本語の語順に組み替えなおすプロセス無しで理解するということです。これができないと、会話の際、言われたことに反応するのに、3~5秒かかってしまいます。
映画やニュース、オーディオブックなどは、一方通行なのでひたすら英語が流れてきます。1つの文章に1秒もかけていたら、3文目にはもう置いていかれます。従来の日本の英語教育では、全く意識されることがなかったポイントですね。
できない人からは、ただ処理スピードが速いだけのように見えます。でも実は、処理のプロセス自体が違う。それでは、できる人の処理のプロセスはどうなっているのでしょうか。
それは、英語が入ってきたときに、頭の中に映像や感情や印象が浮かんでいるのです。単語であれば、写真一枚、あるいは動作。文章になると、一連の表現自体が、すぐさま映像になって頭の中に流れます。
日本語で「サッカー」と言われたときのことを考えてください。「11人のプレイヤーが1つのボールを取り合って相手陣地のゴールに蹴りこみ、得点を競う競技」と、文字情報で処理する人はいないでしょう。誰もが、選手がボールを蹴っている映像を思い浮かべるのではないでしょうか。
そしてこれに慣れきると、映像すら不要になり、サッカーはサッカーとして分かっている状態になる。
「サッカーってなに?って言われても、サッカーはサッカーでしょ。」
これが、英会話ができる人の、頭の中で起きていることです。
それでは、英語のまま理解できるようになるためには、どういう訓練をすれば良いか。それは、躍動するイメージで考えることです。
躍動するイメージで考える
アインシュタインは言いました。
「私は考えるとき、言葉ではなく、躍動するイメージで考える」
これを英語でやれるということが、英語を英語のまま理解できる、ということになります。
簡単な例で言うと、挫折しない洋書の読み方でも少し触れましたが、”red”という単語を目にしたときに、日本語で「赤」という文字を思い出すのではなく、このように、赤い色そのもののイメージを頭の中に描くんです。
物理的なものなら、簡単です。”elephant”なら、日本語の「象」ではなくて、こう。
英語の言葉を見たときに、こういうイメージを思い浮かべることができれば、「英語を英語のまま理解する」が、できていることになります。画像を見ながら、
「えれふぁんと、えれふぁんと、エレファント、elephant、elephant・・・」
と10回くらい頭の中で唱えてみましょう。elephantという単語と画像の象が、だんだん結びついていきます。
難しいのは、抽象概念です。例えば、”understand” 「理解する」なんて、ちょっとイメージしにくいんじゃないでしょうか。
これには、「躍動するイメージ」を使いましょう。
ちょうど、ぞうさんの画像が上にあるので、この象が、思いっきりうなずきながら、
“I understood!! ぱおぉ~ん!!”
と言っている「躍動するイメージ」を、”understand” という単語に当てはめてください。ぞうさんを心の中でどう動かすかは、あなたの工夫のしどころです。
なんでぞうさんなの?と思われる人が多いんじゃないかと思います。ふざけているわけじゃありません。これにも私なりの根拠があります。人間の記憶は、付随する情報が多いほど、忘れにくいんです。この場合、「なんで象なの」「おかしい」「ふざけてる」という印象が、”understand” という単語に付随します。
英語のイメージ力を訓練する方法
それは、五感をフルに利用することです。
イメージというのは、何も視覚情報だけではありません。強くうなずいていたら、髪の毛が暴れて顔に触れたり、こぶしを握りこむ手の感触があったりするでしょう。(触覚)
ぞうさんを例に使ってしまったので、ここはひとつ、あなたもぞうさんになって、長い鼻と耳がパタパタ当たっている感触をイメージしてください。五感をひとつのイメージに整合させる必要がありますので。「躍動するイメージ」として、ワンアクションで全ての感覚が思い起こされ、それに英単語が紐づいているかたちが理想です。
味覚は工夫がいるかもしれません。何か食べながら覚えようとしているなら、その味でもいいでしょう。”understand”はポジティブな印象の強い言葉なので、自分が好きなものの味をイメージすると良いです。ぞうさんなら、お日様の下で干したばっかりのふとんのようないい香りのする、黄金色のほしくさでしょうか。
「いつも荒野に生えている草や木の枝ばっかり食べていたけど、今日はじめてほしくさを食べさせてもらったんだ。ぼくは理解したよ!ほしくさって、いい香りがするし、すごくおいしい!!」
というストーリーになるかもしれません。このストーリーを、一瞬の躍動するイメージにするんです。
嗅覚は、こっそり味覚と一緒にしちゃいました。実は嗅覚は、脳みその海馬という、記憶をつかさどる器官に直接信号を送る唯一の感覚です。
あなたにもありませんか?別れた彼氏/彼女の香水の匂いが苦い思い出を浮かび上がらせるとか、植物の芽吹く匂いで卒業式を思い出すとか、塩素の匂いで夏のプールを思い出すとか。嗅覚は、記憶に深くかかわっているんです。だから、嗅覚をイメージに結び付けられれば、その単語はもらったも同然ですね。
最後の聴覚については、”understand”を自分が喋っている声を、イメージとして心に刻んでください。この喋ることについては、発音もちゃんとしていると効果が上がります。そして五感ではありませんが、感情も「躍動するイメージ」に結び付けてください。”understand” であれば、物事を理解することは基本的に喜びや成長だと思いますので、
「嬉しい!!!」
と思いながらイメージを浮かべてください。
(発音がぐっと上手くなる気づきについてはこちらの記事をご覧ください。)
実は、単語集には、こういうイメージを重視して、イラストがついていたりするものもあります。これや、これなんかもいい感じですね。文字だけが並んでいるものより有利なのは明らかですよね。
こうやって覚えた英語は、読んだり聞いたときに、日本語ではなくてイメージが浮かびます。そうすると、忘れにくいだけじゃなくて、瞬発力が上がるんです。瞬発力が上がれば、洋書もすらすら読めるようになるし、会話だってできるようになります。
まとめ
英語を英語で理解するとは、日本語ではなく、イメージで理解することです。そのためには、イメージで考える訓練をしましょう。イメージで考える訓練をする際には、五感と感情をフルに使い、それを単語の綴りや発音に結び付けましょう。
僕は単語帳をいろいろ探すうちに、イラストがついた単語帳に出会い、この方法を思いつきました。イメージ化に慣れてから、はじめて覚えている単語を「使えている」という感覚になりました。話したいことが口をついて出てくるし、読書もスラスラできるようになった。本当に嬉しかったですね。
(イメージ化については、身につく単語帳の覚え方でも触れています)
はじめは戸惑うし、イメージを頭の中でつくるのも時間がかかると思います。でも、慣れていけばその時間もどんどん短縮されていきます。だから、頑張ってやってみてください。新しい覚え方で、楽しく英語をやっていってくださいね。あなたの英語生活が充実するよう、応援しています。