aboutの意味は、「だいたい」だけではありません。
「~について」と「ほとんど」を文脈に応じて使い分けます。
また、「もうすぐ~」の意味もあります。
いつ、どの意味になるのか、使い分けを画像でわかりやすく解説します。
この記事を読めば、もうaboutで迷わなくなります。
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aboutのコアイメージ
aboutのコアイメージは、「だいたい」です。
あなたが誰かに身長を聞いて、about 160cmと言われたら、だいたいの感じがつかめますね。
「何々について」というaboutも、この「なんとなく」「だいたい」のイメージが伴います。
a book about Englishと言ったら、「英語についてサラッと一般的なことが書いてある本」というイメージで、「英語についての本」なのです。
野球が9回裏まで進んだら、もうだいたい終わっていますよね。
It is about to finish. と言ったら、「だいたい終わっている」から、「ほとんど終わっている」という風に使われるんです。
~について、~に関して (前置詞 )のabout
前置詞(名詞を説明する品詞)としては最も多用される表現です。
onほど特定されていません。
ふんわりしたイメージですね。
What’s that book about?
これは何についての本ですか?
a film about the Spanish Civil War
スペインの内戦についての映画
We were talking/laughing about Sophie.
僕達はソフィーのことについて話した / 笑った。
I’m very worried about my brother. He’s not well.
僕は弟がとても心配だ。彼は具合がよくないんだ。
onとの比較
「onほど特定されていない」のonは、of this issueの意味で、「この問題について」と言った意味合いです。
This book is on English grammar at Advanced and Proficiency levels.
この書籍は上級、熟練レベルの英文法についての本です。
onは、テーマが明らかになっている場合や、専門書について使われます。
aboutのぼんやりしたイメージと、onのくっついているイメージを比べてみて下さい。
He wrote a book about the Spanish Civil War.
彼はスペインの内戦についての本を書いた。
He wrote a book on Barcelona during the Spanish Civil War.
彼はスペインの内戦中におけるバルセロナについての本を書いた。
about はより一般的で、少しインフォーマルです。
About as a preposition / Cambridge Dictionary
onはより特定された詳細な情報を扱い、よりフォーマルです。
onについてもっと詳しく知りたい人はこちら。
コロケーション about(~について)を使った表現
He never complains about the pain.
彼は絶対に雨について文句を言わない。
Everybody was very concerned about the accident.
その事故については誰もがとても心配していた。
I’m very excited about coming to France and I can’t wait to see you.
フランスに来ることについてはとっても興奮していて、君に会うのが待ちきれなかったよ。
I’m very happy about my trip.
僕はこの旅についてはとってもいい気分だ。
Please don’t worry about me.
どうか僕の事は心配しないでくれ。
aboutを使わない表現
何々についてと日本語訳しそうな動詞でも、about を取らないものもあります。
なるべく多く例文に触れて、勘を養っていきましょう。
たくさん暗記するのも手ですが、たくさん使って覚えたほうがはやく使えるようになります。
使うとは、勉強以外の目的で話したり聞いたり読むことですね。
She’s not aware of the rules of the road.
彼女は交通ルールを把握してない。
Have you considered changing your career?
キャリアを変えることを考えたことはある?
Can you give us a description of the bag?
そのバッグの説明をしてくれないか?
Let’s discuss the new schedule.
新しいスケジュールについて話し合おう。
They have no experience of looking after children.
彼らには子供の世話の経験がない。
She didn’t mention where the keys were.
彼女は鍵がどこにあるか言わなかった。
暗記をするよりは、aboutやこれらの表現で「自分でなにか表現しようとしてみる」方が、実用上は有効です。
そのときに何も思い浮かばずに詰まってしまうということは、英語で会話しようとしたときも詰まるということです。
「自分でなにか表現しようとして」みれば、その予行演習になりますよね。
だいたい (約) (副詞) のabout
こちらは日本語のアバウトなという言葉そのものです。
一つ付け加えておくとこれは前置詞ではなく副詞になります。
about six feet tall
大体6フィートの高さ
about two months ago
大体2か月前
What time are you leaving work today? “About five.”
今日は何時に仕事に出るの?5時くらいだね。
ほとんど (もう少しで) (副詞)のabout
「だいたい」から派生して、ほとんどもう少しで(almost)という使い方もあります。
こちらも副詞です。
We’re about ready to leave.
もう出る準備はほぼできてるよ。
Well, I think that’s about it for now.
んー、今のところは大体こんなもんだね。(今のところ今やっていることはほとんど終わった)
That’s it!という表現は、本当によく使われます。
「もう十分!OK!」「はい、おしまい!」「以上!」
という意味になります。
用件が終わったときなどに、締めの言葉として言われたりします。
例文では that’s about it となっていますので、「ほとんど終わり」という意味になります。
もうすぐ~するところだ be about to do sth
会話で頻出の慣用句です。
aboutのコアイメージ「だいたい」で処理できます。
I was about to leave when Mark arrived.
マークがついた時に僕はちょうど出るところだった。
She looked as if she was about to cry.
彼女は今にも泣き出しそうに見えた。
He sensed that something was about to happen.
彼は今にも何かが起きようとしているのを感じた。
I was just about to borrow some money from Dad when finally the cheque arrived.
小切手がついに到着した時、私はもう少しで父にお金を借りてしまうところだった。
aboutのイギリスでの用法 米語のaround
参考として、イギリスではaboutは他の意味でも使われているということを紹介しておきます。
イギリス文学やドラマ、小説を視聴したい人は知っておくべきかもしれませんね。
「とりあえず会話ができるようになりたい」という人は、今は飛ばしてかまいません。
いずれも、アメリカではaroundが替わりに使われます。
~のまわりに雑然と/目的無く (前置詞)(副詞)
前置詞
Their belongings were flung about the room.
彼らの所持品は部屋中に散らかっていた。
副詞
She always leaves her clothes lying about on the floor.
彼女はいつも服を床の上にバラバラに放置している。
ばらばらな向きに雑然と (副詞)
They heard someone moving about outside.
彼らは何かが外で動き回っているのを聞いた。
I’ve been running about all morning trying to find you.
君を見つけるために朝の間中走り回っていたんだよ。
この辺に (副詞)
Is John about (= somewhere near)?
ジョンはこの辺りにいる?(どこか近くにいる?)
There’s a lot of flu about (= many people have it) at the moment.
現時点でインフルエンザにかかっている人がたくさんいる。
Reporters stood about, waiting for more news.
レポーターはさらなるニュースを待ってぼんやり突っ立っていた。
まとめ
aboutは「だいたい」のイメージから派生して、次のような意味があります。
だいたい
ほとんど(almost)
また、be about to do もよく使われる表現として重要です。
いたずらに単語を暗記しようとするよりも、シンプルなようで深い前置詞をマスターしたほうが、喋れる自分になれる日が近づきます。
他の前置詞も併せておさえておきたい人は、こちらを見てください。
あなたの英語生活の充実のお役に立てれば幸いです。
That’s it!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
あんまりなんでもかんでも暗記する必要はないよ。