あなたは”Can you run over?”ときかれて、正しく返事ができる自信がありますか?
run overには下記のように様々な意味があります。
この多様な意味を押さえることで、英語の対応力がグンと上がります。
車で轢く
さっと振り返る
振り返って説明する
何度も考える
延長する
あふれる
ひと走りする
限界を超える
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句動詞「run over」の意味
車で轢く
Keeley was run over by a car outside her house.
キーリーは家の外で車に轢かれた。
Two children were run over and killed.
二人の子供が車にひかれて亡くなった。
さっと振り返る、練習する
She ran over her notes before giving the lecture.
彼女は講義をする前にノートにさっと目を通した。
She kept running over her lines.
彼女はセリフを練習し続けた。
振り返って説明する
Would you run over the sequence of events again?
その出来事の流れをもう一度説明してくれるかな?
Our teacher ran overthe main points at the end of each lesson.
先生は毎回授業の終わりに主なポイントを振り返った。
たくさん考える
I couldn’t stop runningit over in my mind.
頭の中でそのことを繰り返し考えるのを止めることができなかった。
Mark’s mind raced, running over all the possibilities.
マークの思考は加速し、全ての可能性について検討を重ねた。
延長する
Sorry I’m late, the meeting ran over.
遅れてすみません、会議が長引いてしまって。
The lecture ran over the allotted time.
講義は所定の時間を延長した。
あふれる
The bath is running over– quick, turn the taps off.
お風呂が溢れてるぞ、早く蛇口を止めろ。
The last drop makes the cup run over.
最後の一滴がカップを溢れさせた。
ひと走りする
Let’s run over to the Browns’ this evening.
夕方にブラウンの所までひとっ走りしよう。
The caddie ran overto fetch something for him.
キャディは彼に何か取ってくるために走った。
限界を超える
Feature movies always run overbudget.
長編映画は常に予算を超える。
We try our best to limit our expenditure to the original sum,but we may run over by a few pounds.
我々は支出を元々の金額に収めるよう最善を尽くすが、数ポンドは超えてしまうかもしれない。
文脈で句動詞「run over」の意味は変わる
これらの例文は、いずれも1文の中に文脈が織り込まれています。
しかし、以下のようなことをいきなり言われたら、どうでしょうか。
”Can you run over?”
日常ではありえないですが、映画のシーンなら、「あいつをひき殺してこれるか?」ということもあり得るでしょう。
スピーチを控えているなら、「練習できる?」となります。
授業や研修をすっぽかしてしまった友人から言われたら、「一から説明してくれない?」という意味にもなります。
英語の表現は前後の文脈がないとわからない場合がたくさんあります。
ですから、前後の文脈(context)をよくつかみ、その上で意味を解釈することが重要です。
句動詞「run over」のoverの意味はひとつじゃない
熟語「run over」に使われている「over」は、下記の意味で使われています。
「上を」「再度/一から」「何度も」「超える」です。
あなたが知っているであろう「超える」のイメージからズレているものは、暗記するしかないと思うかもしれません。
ですが、overの意味を連想できるようになれば、さまざまな文脈に対応することができるようになります。
overの意味の派生を連想しよう
overは「丸く上をかぶさって動く」というコアイメージがあります。
動きのあるイメージであることに注目してください。
「上をかぶせる動き」は、車で人や動物に乗り上げてしまう動きです。
(ただし、「車で轢く」はあまりに多用されて慣用句のようになってしまったので、乗り上げなくても車を当てて殺傷してしまった場合全般に使われています。)
同じく「上をかぶせる動き」から、ものごとの全体をサラッと上から見るイメージが、「さっと振り返る」「さっと練習する」に含まれています。
「ひと走りする」の場合、道や数ブロックといった短い距離をまたぐイメージを持つと理解しやすいでしょう。
overには、他にも様々な意味の派生があります。
よりoverについて詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
句動詞「run over」の言い換え例
車で当てる hit
日本語でも、run overの「轢く」は「車輪の下に踏みつけて通り過ぎる」という意味です。
踏みつけておらず、当てただけの場合はhitになります。
His car hit a van coming in the opposite direction.
彼の車は反対方向から向かってくるバンと衝突した。
通しで練習する run-through
run overは上をサラッと通過するのに対して、run-throughは本番同様のリハーサルをやるイメージです。
We’ve got time for one more run-throughbefore the concert.
もういっかいコンサートの前に通しで練習する時間があるぞ。
説明する explain
run overは、overの「再度」という意味から、すでに一度行われた授業やレクチャー、指導、説明について振り返るイメージを持ちます。
explainは、初めてのことでも、すでに説明されたことでも使うことができます。
The teacher explained the rules to the children.
先生はルールを子供に説明した。
よく考える consider
run overもconsiderも「よく考える」と訳すことができます。
しかし、overは「上を越える」イメージから、ものごとを俯瞰して、全体を捉えるニュアンスがあります。
一方のconsiderは、深く考える、もしくは時間をかけて考えるイメージです。全体か部分かは特定されません。
Don’t make any decisions before you’ve considered the situation.
状況を良く考えずに決断を下すことはするな。
まとめ
run overは、「上を通る」「再度」「超える」というoverのイメージから、次のような意味の派生がありました。
さっと振り返る
振り返って説明する
何度も考える
延長する
あふれる
ひと走りする
限界を超える
英語の対応力をつけるには、前置詞overの意味の派生を連想できるようになることが重要です。
また、ほかの前置詞も見てみたい人はこちらをどうぞ。
あなたの英語ライフが充実するよう、応援しています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
バイクの旅10万kmで、なんにもrun overしなくてよかった。