前置詞/副詞「up」は10以上も意味がある!自分で意味を導ける解説

前置詞

「up」は様々な動詞とくっついて、多様な表現をします。

give upがなぜ「諦める」なのか、walk upでなぜ「近寄る」になるのか、実はちゃんと理由があります。

イメージの派生を押さえることで、そんな句動詞をやみくもに丸暗記することなく、理解の伴う習得ができるようになります。

「up」のいろいろな意味を理解して、今後の勉強を効率的なものにしましょう。

前置詞upをマスターする手順
upのコアイメージ「地面から天井へ上昇する運動」を頭に焼き付ける

例文を、イメージを当てはめながら読む

どんな気持ちで言っているのかを考える

自分がその表現で言いたいことを日本語でつくる

英語にしてみる(文法が間違っていてもOK)

1日後、3日後、7日後、1ヶ月後に振り返る

コアイメージ 地面から天井へ上昇する運動

前置詞・副詞upのコアイメージと派生イメージ

「up」のコアイメージは、地面から天井上昇する運動です。

上昇という動きそのものからは、「増加する動き」(go up)「増加し終えた状態=多い」「歳をとる」、「起きる」(get up)などのイメージを作り上げます。

地面から出現するイメージから、make up「創造する」や、come up「いきなり現れる」の意味を作ります。

低い位置からの運動は、天井までの足りない部分を補いたい気持ちから、「改善」、「追い着く」(catch up)、「一緒に」などの意味を表します。

高い位置から天井に向かう動きは、「近づく」(walk up)という意味をつくります。

最高点に到達すると、「完全な」(eat up 食べ尽くす)という意味を連想させます。

そして、最高点からは下降するしかないので、マイナスイメージを派生させて、「限界」(end up)「終了」(time up)などの意味ができあがっています。

前置詞・副詞「up」のイメージ派生のツリー図

前置詞up 上昇する運動

もっとも基本的なイメージです。

「上げる」という下から上への動きです。

Put those books up on the top shelf.
その本を棚の上に上げてくれ。

A gravel road leads through the jungle and up into the Andes.
ジャングルを抜けてアンデス山脈へ上がっていく未舗装の道。

増加していく運動

これも動きのあるイメージです。

上昇から派生して、温度や感情などがどんどん上がって、高まっていくニュアンスです。

The fire heats the room up (= makes it warmer) within minutes.
炎が数分の間に部屋の温度を上げる。

Try not to get worked up – I’m sure we can resolve this.
あんまり感情的にならないようにしなよ。きっと解決できるって。

増加しおえた状態

こちらは、増えた結果としての、「多い」という状態です。

The cost of car insurance is up, but not very much.
自動車保険の値段は高いけど、めちゃくちゃに高いというほどでもない。

His time in the army certainly toughened him up.
彼の軍隊での経験は確かに彼を鍛え上げた。

歳をとる

上昇から派生して、歳をとるというイメージにも変化します。

No one said that growing up would be easy or painless.
歳をとることが簡単で痛みの無いことだなんて誰も言わなかった。

Many single parents struggle to bring their children up on a low income.
多くのひとり親が低い収入で子供を育てることに苦労している。

縦にする

横になっていたものを立てたり、座っているものを持ち上げるにも、上昇というパワーが必要です。

Would you stand up for a minute? I want to see how tall you are.
ちょっと立ち上がってくれない。君の背の高さを見てみたいんだ。

Putting up some new wallpaper has made all the difference to the place.
新しい壁紙を貼ったことはその場に劇的な変化をもたらした。

起きる

人間に関する表現はとてもたくさん使われるので、いつのまにかupだけで起きるという意味になりました。

It’s time to get up now!
起きる時間だよ!

I was up all night, finishing my essay.
論文を終わらせるために徹夜した。

重力へ逆らう上方向への力

平常どおり機能している
前置詞・副詞「up」の派生イメージ「我慢する」「しっかり保つ」

起き上がることにも上昇の力は必要ですが、立ち続けるだけでも体力はつかいます。

そのことから、「維持」のイメージが派生します。

Andy, do you know when the network will be up again?
アンディ、ネットワークがいつ直るか知ってる?(もとの正常な状態に戻る)

There was a brief powercut but by ten o’clock the computers were up again.
短い停電があったけど10時までにはコンピューターは再稼働した。

「10時まで」のbyはこちらにまとめてあります。

しっかり保つ

You’d better wrap up – it’s cold outside.
外は寒いからしっかり着込んでおいた方がいいよ。

Tie up the top of the bag so the rubbish doesn’t fall out.
ゴミがこぼれ落ちないように袋の上をしっかり縛っておけ。

“top of the bag”のofはこちらにまとめてあります。

起源に向かって

例文のように川上に向かうのも、重力に逆らう力です。

Rowing up (the) river against the current was very hard work.
流れに逆らって川を上流へこいで行くのはとっても辛い作業だ。

遠くに

Jack, move up the bench a bit, then Tess can sit next to me.
ジャックちょっとベンチのそっちに寄ってね、そしたらテスが隣に座れるから。

They live just up the road.
彼らはこの道のちょっと向こうに住んでるよ。(話者が立っている道に住居がある)。

沿って

We took turns to row the boat up the river.
私たちは船を川上へこいで行く順番を受け持った。

The gravel crunched underfoot as we walked up the path.
道を歩いて行く時に、砂利が足の下でジャリジャリ言った。

前置詞up 天井に着目した派生イメージ

最高点の近くまで上ると、そうとう高い位置にいることになります。

高い位置にいれば、距離があるので小さく見えます。

高い位置

I need you to hold it steady while I’m up the ladder.
はしごに登っている間しっかり押さえていてほしい。

Our boardroom is up on the 23rd floor.
我々の役員室は上の23階にある。

「23階に」の位置を表すonは、こちらです。

小さくなる

He cut the letter up into a hundred pieces.
かれは手紙を小さく切り刻んだ。

She folded the newspaper up and put it in her bag.
彼女は新聞を小さくたたんでかばんに入れた。

機嫌がいい

She’s been really up since she started her new job.
彼女は新しい仕事を始めてから本当に機嫌がいい。

近づく

前置詞・副詞「up」の派生イメージ「近づく」

Carrying a gun, he walked up to the cashier and demanded money.
彼は銃を手に持ってレジに近づき、お金を要求した。

A young girl came up to me and asked for money.
若い女の子が近づいてきて、お金をくれと言ってきた。

“asked for the money” のforは、toとの比較でまとめてあります。

天井へ着いたあとの下降というマイナスイメージ

終わる

前置詞・副詞「up」の派生イメージ「限界」「終了」

頂点にいるということは、それ以上は上昇できません。

そこから、下降のマイナスイメージを感じ取って、「限界」「終了」などのイメージが生まれました。

When the two hours were up nobody had answered all of the questions.
2時間が終了したとき、だれも全ての問題には解答していなかった。

Your time is up – it’s someone else’s turn on the training equipment now.
時間ぎれです。他の人がトレーニング機器を使う番ですよ。

前置詞up 地面に着目した派生イメージ

低い位置からの足りない部分を補いたい気持ち

改善

upの向上のイメージですが、少し転じて、「補いたい」という気持ちからの派生です。

By lap 26, Hamilton had moved up into second position.
26週目で、ハミルトンは2位に浮上した。

Stein had a bad start to the race, but by the ninth lap she was up with the leaders.
ステインはあまり良いスタートを切らなかったが、9週までには先頭集団に浮上した。

追いつく

She couldn’t go to school for a few weeks because of illness, but she’ll be able to catch up (with her work) quickly.
彼女は病気で何日か学校に行けなかったが、すぐに追いつけるだろう。

So much scientific research is being performed that it’s virtually impossible to keep up (with all the new developments).
あまりにもたくさんの科学的調査が行われているので、追いつくのは事実上不可能だ。

一緒に

You have half an hour to gather up anything you’ll need for the journey.
旅に必要なものをまとめるのに30分あるよ。

Add up the column of numbers in your head and then tell me what the total is.
数列を頭の中で合計して、合計を教えてください。

if you put a little money aside each week, it’s surprising how quickly it adds up.
毎週お金をちょっとずつ取っておけばとっても早く貯まるよ。

地面から太陽が昇るイメージ

前置詞・副詞「up」の派生イメージ 「出現」「問題」

現れる

地面に着目することで、なにもない状態からなにかが現れることがイメージされます。

それをいいほうに捉えれば「設立」や「創造」、悪いほうに捉えれば「とつぜん現れる」「問題」の発生などの意味になります。

Originally the charity was set up to help orphans in urban areas.
もともとその慈善団体は都市部の孤児を救済するために設立された。

I’m sorry, but something unexpected has come up at the office, and I’ll be home late.
すみません、ちょっと予想外の事態が事務所で発生したので帰りが遅くなります。

問題

Everyone was talking in whispers, and I could tell something was up.
誰もがささやき声で話している。何か起きたのかもしれない。

What’s up?
どうしたの?/何か起きたの?/元気?

まとめ

upの意味は、以下の3つのポイントから生まれています。

前置詞upのイメージまとめ
低いところから天井へと上昇する運動
天井に着目したイメージ
地面に着目したイメージ

まずはこの3つを押さえて、そこから連想して意味を思い出せるようにしましょう。

何度か思い出していれば、いずれupの意味は定着していきます。

その上でmake up(つくり上げる)やcome up(現れる、近づく)、put up with(我慢する)などの意味を確認すれば、苦労せずに覚えられるはずです。

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マサ

効率よく覚えよう!

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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