sとzの発音を音声付きで、日本語との共通点からわかりやすく解説します。誰にでも、あなたにも、ネイティブに伝わる発音ができるようになります。
sとzをひとつのページで説明しているのは、口の形や使い方が全く一緒だからです。効率よく、いっぺんに覚えてしまいましょう。
内容は、僕の旅の2年間で100人以上と問題なく会話してきた実績と、アメリカの大学などのサイトに基づいて書いてありますので、安心してご覧ください。
クリックできる目次
sは摩擦音。空気の摩擦の音を理解しよう
まず、sの音は空気の摩擦の音だ、ということを体で理解しましょう。空気の摩擦の音は摩擦音といいますが、日本語にも摩擦音があります。
「静かにしてっ!!」の、「シーーッ!!」が代表的な例です。ちょっと一緒に発音してみましょう。「い」の音は出さず、息だけで発音してみてください。
無声音 「シーーッ!!」
空気が、細い隙間を通るときにこすれているのがわかるでしょうか。これが摩擦音です。
摩擦音が理解できましたね。では次に進みましょう。
(実はこの「シーーッ!!」の音、他のページで解説してある別の発音 sh /ʃ/です。正確にはそのページを参照してほしいんですが、旅の経験者の目線から言うと、もうこれでネイティブに通じちゃいます。大事なのは、次のsの音と全く違う音なんだ、ということを意識することです)
sの音は「さしすせそ」の「す」の子音部分
先ほど出した、「シーーッ!!」の音を、「「スーーッ!!」に変えてみましょう。ことのき、母音の「う」を出さないで、息だけをだしてみてください。
無声音 「スーーッ!!」
無事音をだせましたでしょうか。もうほぼ英語のs/s/ の音であり、ネイティブに通じる音です。厳密な説明は下記ですが、「もうこの音でいいや!」ということでも、十分実用英語です。僕もこれでやっています。
ネイティブのサイトにおける口腔内の説明
「舌の前の部分を、歯の根元の近くに置きます。
舌の先端は歯茎の近くに置きます。上の歯の前なのか下の歯の前なのかは、前後の語により変化します。
空気が舌先の中央と歯茎の狭い隙間を通る時に舌を緊張させます。
舌の前方横部分は横の歯に当たっています。
唇は僅かに緊張させます。
この音は長さのある子音で、2秒間でも同じ強さで滑らかに続けて出すことができるような音です。
舌の先と歯根との距離のコントロールの正確さが音の決め手です。」
記事を作るに当たり参考にした海外サイト:
Learn to Pronounce Sounds in American English / Seattle Learning Academy
Brain and Language / Tulane University
zはsの形で声帯を使って声をだせばいい
zは声帯を使って声を出す音
sの説明のときに、「母音の「う」を出さないで、息だけをだしてみてください。」と言いました。これを無声音といいます。
一方のzは、声帯から声を出す有声音です。先ほどのsの形のまま、声を出してみましょう。
(以後、声帯から声を出す有声音は赤、息だけをだす無声音は青で書いていきます。)
有声音 z/z/
実際の発音では長く発することはありませんから、短く発したsに英語の母音を当てはめてあげれば、完成です。
無声音 s/s/
有声音 z/z/
s、zの単語の発音
無声音 s/s/ some miss must sad
有声音 z/z/ easy zip cousin cozy
繰り返しになりますが、口の形は/s/と/z/で全く一緒です。声帯からの声なのか、ブレス(息)なのかを使い分けられるようになりましょう。
sとshの違い
英語では、sとsh の音は完全に別の音として区別されています。あまりにも有名ですが、sit「座る」と、shit「たわごと、糞」をいい間違えたりはしたくありませんよね。
日本語ではあまり母音と子音を分解すると言うことはしませんが、「さしすせそ」について考えてみましょう。
「さしすせそ」のうち、「し」は sh /ʃ/にちかく、「さすせそ」はs/s/に近いです。これら英語の子音 sh /ʃ/とs/s/に、日本語の母音「あいうえお」を強引に当てはめて発音してみました。
s/s/ sあ sい sう sえ sお
sh /ʃ/ shあ shい shう shえ shお
いかがでしょうか。sは「さ すぃ す せ そ」、shは「しゃ し しゅ しぇ しょ」のようにきこえないでしょうか。
日本語ではおなじサ行でも、英語ではまったく別の発音なんです。
sit「座る」 sat「座った」 shit「たわごと、糞」 shut「閉める」
似ている単語がない言葉でも、sとshは間違えると通じません。ここはきっちり押さえましょう。
なお、z/z/と zh /ʒ/も同様ですが、無声音のsとsh が言い分けられるようになれば、口の形が同じですから、すぐにできるようになります。
まとめ
sとzは空気の摩擦の音でした。口の形は同じで、声帯を使わず息だけを出すのが、無声音 /s/、声帯を震わせて声を出すのが、有声音 /z/。でした。
旅で100人以上の英語話者と話してきた実感からすると、s/s/とsh /ʃ/の区別だけはしっかりするべきです。それが一度つかめてしまえば、あとは細かいsの発音を気にせずとも、日本語の「す」の感覚でネイティブに通じます。
頭で「違う」ということだけ把握しているだけで体で覚えていないと、結局会話のときには間違えます。何度も発音を練習して、体に覚えこませましょう。ある程度実践すれば、「考える前に違うことがわかっている」状態になります。
ここまでもってこれれば、英語話者に一歩近づいたことになります。がんばってください、応援しています。
発音は一度覚えれば忘れない一方で、身につくまでは筋肉が疲れたり、しんどい部分もあると思います。マイペースで、がんばってみてください。