洋楽和訳・解説「Don’t Start Now」失恋から立ち上がるあなたへのアンセム

Dua Lipa(デュア リパ)Don’t Start Now の解説です。

昔の男は忘れて、新しいステップを踏み出そうという決意表明の歌。

低音でグイグイ来るビートとあわせて、躍動感のある気持ちの良い曲です。

デュアは LGBT の icon(日本語で言うアイドル)にもなってるそうですが、これだけクールならうなずけますね。

文法解説もありますので、歌詞の理解をより深めて、この爽やかな曲にもっと浸ってみてください。

Don’t Start Now は自分の足で立ち上がる勇気をくれるのはもちろんだが、同時にあなたをひどく扱った相手に対する決別宣言でもある。過去の失恋や、辛い関係から立ち直ろうとするあなたへの応援歌だ。

“Don’t Start Now” will of course make you want to get up on your feet, but it also sends a bold message to anyone who treated you poorly in the past. Specifically, it’s an anthem for getting past a breakup or the end of a sour relationship. 

The Oprah Magazine

発音練習「Don’t Start Now」by Dua Lipa

この曲には、out が12回、now が9回出てきます。

これらの o の発音は、こちらの記事で解説しているcop の o と同じです。

シャドーイングをするときはこの o を集中的に練習してみましょう。

文法解説「Don’t Start Now」by Dua Lipa

Did a full 180, crazy

180 (one eighty) は、180度転換して、違う自分になるという意味で使われています。

下記によれば、「完全に前の自分と違う人間になった人」という名詞としても使われます。

A person that has completely performed a complete opposite turnaround of the person they once used to be

Urban dictionary

crazy は、狂ってるという意味が基本ですが、褒め言葉にも使われます。

この歌で狂ってる人は元彼しかいなそうですが、one eighty をした、と直前に主人公の女性が言っていますので、否定的な意味にはならないでしょう。

Did a full 180, crazy
前とは違う自分になったの びっくりよ

But look at where I ended up

end up は、「結果的にこうなった」という意味です。

ここでの up は、「上がる」ではなくて、「完成する、完結する」という意味です。

end up はこんな風に使われます。

If she carries on shoplifting, she’ll end up in jail.
万引きを続けていたら、彼女は最後には牢屋に入ることになるだろう。

歌の主人公は、失恋から立ち直った姿を「見てみなさい」と言って、元彼に対して勝ち誇る態度を見せています。

なので、このセンテンスの意味はこうなります。

But look at where I ended up
でも見なさい (私がどこに行き着いたか)私がどうなったか

I’m all good already

I’m good は、文脈によっていろいろ便利に使われます。

“How are you doing?” ”I’m good, thanks.”
「ごきげんいかが?」 「良いですよ、ありがとう。」

I’m good at French.
フランス語が得意だ。

“Do you wanna hang out?” ”I’m good, I have to do my homework.”
「出かけようよ。」 「遠慮しとくわ。宿題やらなくちゃいけないんだ。」

この曲では、失恋から立ち直って、good な状態にいるわけなので、「もう大丈夫」というような意味になります。

all は、good を強調しています。

I’m all good already
(あなたは未練たらたらのようだけど、)私はもう完全に復活したのよ

So moved on, it’s scary

move on は、「前にいた場所から次の場所へ行く」「新しいことを始める」です。

I’ve lived in this town long enough – it’s time to move on.
この街にはだいぶ長いこと住んだ。もう次の街にいこう。

I’d done the same job for years and felt it was time to move on.
何年も同じ仕事をしてて、新しいことを始める時期だなと思ったんだ。

この曲にぴったりですよね。恋愛に当てはめれば、「前に進む」「次の恋に行く」となるでしょう。

so は、「こんなに、とても」という副詞として move on を強調しています。

So moved on, it’s scary
こんなに前に進んでる 怖いくらいだわ

If you wanna believe that anything could stop me

この could は仮定で、歌い手はあり得ないという気持ちを表現しています。

元彼にとっては can なので未練を見せるわけですが、彼女にとっては復縁はありえないので、could と過去形にするんです。

If you wanna believe that anything could stop me, don’t show up
もし私を引き止められると信じたままでいたいなら、私の前に顔を出さないほうがいいよ (それがあり得ないという現実を思い知ることになるからね)

Don’t show up, don’t come out

この up も out も、「現れる」という意味を持っています。

特に come out は、文脈無しに読めば、「(どこかから)出てくる」になるでしょうが、この曲では、現れるという意味から「(あたしの前に)出てくる」という解釈になります。

Don’t show up, don’t come out
姿を見せないで 出てこないで

I’m better on the other side

the other side は、「反対側」です。

「表と裏」を考えたときに、other side(表じゃない方)は裏しかないので、特定の the が付きます。

on は、「何かの平面にくっついている」という位置関係を示す前置詞です。

前置詞は全て物理的な空間からアイデアが始まっていますので、「表と裏」などがあるもの⇒板切れや紙切れなどの平面⇒ on 、ということで、the other side には on が使われます。

I’m better は、「あなたといる side(過去の生活)」よりも、「あなたといない side(今の生活)」の方がいい人生だ、という比較の better です。

単純に「まし」と捉えると、過去を乗り越えて新しい一歩を踏み出そうというこの曲のパワーが損なわれてしまいます。

I’m better on the other side
前よりいい自分
になったの あなたのいないこっちがわ(今の生活)で

まとめ

ベースサウンドがぐいぐいビートを引っ張っていて、すごくカッコよくて好きな曲です。

昔の男に、今の成長したあたしを見せ付けてやろう、失恋を乗り越えて前に進もうというメッセージにぴったりです。

PVもオシャレでクールで、聴いて良し、観て良しで盛り上がりますね。

早いところ歌詞を暗記して、PVを見ながらシャドーイングしちゃいましょう。

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