洋楽和訳・解説「Happier」愛した人の幸せは自分の苦しみに優先するのか

洋楽で英語学習

Marshmello(マシュメロ) ft. Bastille の「Happier」の和訳・解説です。

I want you to be happier だけ聞くと、幸せそうな曲に聞こえるんですが、どんな状況から、「より幸せ」になってほしいのでしょうか。

なかなか事情は複雑なようです。

和訳と解説をつけていますので、歌詞の内容を理解して、よりこの曲を楽しんでみて下さい。

発音練習「Happier」by Marshmello ft. Bastille

この曲にはwill と I’ll が23回、他に feel が3回出てきます。

単語の最後の l は日本人が苦手とする発音なので、この曲で集中的にトレーニングしてみましょう。

文法解説「Happier」by Marshmello ft. Bastille

Lately I’ve been thinking

have been thinking で、「しばらくの間繰り返し考えている」です。

まず、I think との違いは、I think は今「考えている」だけなので、「最近考えてたんだよね」という時間の幅を表すことはできません。

I thought だと、過去のある一点で「考えてた」だけなので、今どう思っているのかは不明。考えが変わっているかもしれないし、変わっていないかもしれない。

I have thought だと、過去のある一点から「一回考えて、その考えを今も持っている」となります。

これだとそんなに苦悩した雰囲気は出ません。

I have been thinking とすることで、この男性が、繰り返し繰り返し考えて、迷って、でも相手のことを思って結論を下したということが強調されています。

いろいろ思い悩んで、eating me up inside 「心を蝕まれる」ようなことにも思い当たって、そのこともなんども天秤にかけたけども、やっぱり相手を自分の気持ちより重視したいということです。

Lately「最近」は、have been thinking がどのくらいの時間の幅なのかを特定しています。

最近とだけ聞けば、短いように聞こえるけれども、この男性にとっては相当に長く感じられる時間だったことでしょう。

Lately I’ve been thinking
最近繰り返し考えていたんだ

When we see what we’ve become

what は関係代名詞で、we see what で「僕たちは what を考える」として、後にその見たことの説明が入ります。

説明のために敢えて訳してますが、後ろから訳すのはやめましょう。会話や聞き取りができなくなる悪癖になります。

what we’ve become は、「僕たちがなったもの」で、we see what の中身です。

合わせると、when we see what we’ve become「僕たちが、僕たちがどうなったかを考える」という訳になります。

僕の頭の中の順序を敢えて日本語にすると、こんな感じです。

実際は僕は日本語には変換していません。

一々変換の時間がかかってしまうので、それをやると会話スピードでの理解ができなくなり、英語での会話ができなくなります。

どうやったら日本語に変換せずに理解できるようになるかといえば、「慣れ」です。

シャドーイングはその慣れのためのいい手段なので、このページでぜひシャドーイングをやってみましょう、ということです。

When we see what we’ve become
僕ら(の関係)がどんなものになったかを考えたとき

In the cold light of daywe’re a flame in the wind

In the cold light of day は慣用句で「冷静になって振り返ると」です。

in the cold light of day
in the morning, when you can think clearly or see something clearly
The house seemed less threatening in the cold light of day.

longman dictionary

夜中にいろいろ空想を膨らませて、朝になって振り返ると「なんて恥ずかしいことを考えていたんだろう」となるアレですね。

In the cold light of day we’re a flame in the wind Not the fire that we’ve begun
現実的に見てみれば 僕らは風に吹かれる炎で(もはや情熱は消えかかっている) 始まりのころの炎(愛情にあふれた暖かさ)とは違う

Every argument, every word we can’t take back

take back は、「取り消す」です。

take は、誰かの領域にあるものを、自分の領域に持ってくるというニュアンスの言葉です。

一度相手に投げたひどい言葉を、自分の領域に戻すので「取り消す」です。

argument と word は両方ともtake back の目的語になっています。

Every argument, every word we can’t take back
僕らがした全ての諍い、言った全ての言葉は、取り消すことができない

I wanna raise your spirits

raise your spirits は「魂をより良い位置に持ち上げてあげる」でもなんとなく通じますね。

日本語の「励ます」に近そうです。

“より幸せに感じさせる、不安や責任を減じさせる”

raise (one’s) spirits
To make one feel happier or more carefree.
The purpose of this charity is to raise children’s spirits this holiday season.

the Free dictionary

励ますは「元気付ける 奮い立たせる」なので、raise your spirits よりも相手の意思を無視して無理やり笑わせるようなニュアンスがありますね。

なので励ますは使わずに訳しました。

I wanna raise your spirits
君に喜びを感じてほしいんだ

the image of you being with someone else

the image がこの句全体のコアです。

image of you で「きみのイメージ」。

being with someone else は、副詞として you を修飾しています。

動詞を~ing や ~ed(過去分詞)にすることで、you を細かく説明することができます。

~ing は you がしていること、~ed は you がされていることを表します。

全体で、次のような意味になります。

the image of you being with someone else
きみが(僕ではない)ほかの誰かと一緒にいるというイメージ

we run our course, we pretend that we’re okay

run our course は「自然に任せる」「なりゆきに任せる」です。

run its course
to develop and finish naturally:
The doctor’s advice is to let the fever run its course.

Cambridge dictionary

この男性と相手の関係は最悪な状態なので、主体的に「自然に任せる」というよりは、もはや「なりゆきに任せる」しかないのでしょう。

we run our course, we pretend that we’re okay
僕らはなりゆきに任せて 平気なふりをしている

まとめ

男性の立場はとても辛いもので、タイトル「Happier」の印象とは裏腹に悲しい曲でした。

慣用句あり、現在完了や関係代名詞など英語が苦手になる原因がいくつかあって、手ごたえのある一曲かもしれません。

文法用語を覚える必要はないので、1.聞いて意味がとれるようになる 2.翻訳しないで英語でわかる 3.暗記するまでシャドーイング 4.その文法で言いたいことが言える のステップで、頑張ってみてください。

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