洋楽和訳解説「I Want It That Way」は、何が望みなの?どういう風にしたいの?本人のツイートを下に解説!

これほど強烈に耳に残り、しかしこれほど意味の分からない曲もなかなかありません。

I want it that way とは、なにを「こういう風にしたい」のでしょうか。

バックストリートボーイズのツイートや、元になっていると思われる曲なども引用して、詳しく調べてみました。

ネイティブも迷う歌詞の意味

この曲は、I want it that way の it が何を指しているのかよく分かりませんし、歌詞のほかの部分もきわめて抽象的です。

2018年に、アメリカのモデル・タレントの Chrissy Teigen も、「よくわからん」とツイートしています。(リリースは1999年なので、19年も経ってから!)

バックストリートボーイズから回答のリツイートも来ていますので、あわせて紹介します。

Chrissy Teigen「男が ”I want it that way” と相手から聞きたくないのは、彼の方がそうしたいから?彼の方がそれを言いたいから?あと、この”it”ってなに?」

Backstreet Boys「君が心の痛みや失敗を欲しているなんて聞きたくない。君が二人の世界が分かれているなんて聞きたくない。僕たちは君が “それ” をそういうふうに望んでは欲しくない。それが僕らが望むことだ。君にそう望んで欲しくない、ということだ。」

なんでしょうね。まだよく分かりません。

リツイートのひとつに、「バックストリートボーイズの No Goodbyes という曲に、I Want It That Way の歌詞の元になったのがあるよ。そっちの方が断然分かりやすい!」とあります。

ですので、この No Goodbyes を見てみましょう。

脱線:make sense という表現

脱線しますが、最後のツイートにある make sense は頻出表現なのでついでに覚えちゃいましょう。

make sense は「わかる、理屈が通る」ですが、フォーカスが主語に来ています。

説明のために、Do you understand? を例にとります。

Do you understand?は、「あなたが理解しているかどうか」を問題にしているので、場合によっては(分からなかったらあなたは馬鹿だよ)という響きを持ちかねません。

それに対して、Am I making sense? Did that make sense? と言えば、「僕の言ってること、理屈が通りますか?筋が通ってますか?」となります。

この聞き方をすれば、理解できなかったとしても、説明される側が頭が悪いからではなく、説明する側の説明が下手だったというニュアンスにすることができ、より紳士的な表現になります。

日本語の、「~して頂けますか?(相手がどうするかが主眼)」と、「して頂ければ幸いです(こっちの気持ちを言っているだけ)」の違いと一緒ですね。

僕がスコットランドのウイスキー蒸留所のツアーに参加していたときも、ダンディなガイドのおじ様がよく Am I making sense? といっていました。

I never want to hear you say は何を聞きたくないのか

これらをまとめると、男は相手に苦しい思いをして欲しくない、二人の関係がつらいものだとは思って欲しくないという歌だ、ということになります。

no matter the distance とありますので、「長距離恋愛になってしまったけど、君に辛い思いをして欲しくないぼくはこんなにも君のことが好きだから、どうか僕の気持ちを疑わないで欲しい」という歌だということがわかりました。

もう一度 I Want It That Way の歌詞を振り返ってみてもらえれば、make sense してもらえることと思います。

文法解説 Backstreet Boys – I Want It That Way

Ain’t nothin’ but a heartache

ain’t は、「be not もしくは have not」を表すスラングです。

ain’t
short form of am not, is not, are not, has not, or have not:
He ain’t going.
“Can I have a cigarette?” “I ain’t got none left.”

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/ain-t?q=ain%27t

not の後には、本来 nothing ではなく anything が来るべきですが、ain’t が話し言葉のみで使われるスラングであることから、音の響きが重視されて、any ではなく no が ain’t とセットで使われるのが一般的になっています。

No = not a or not any
We had to walk home because there was no bus.
(= We had to walk home because there wasn’t a bus.)
Sue will have no trouble finding a job.
(= Sue won’t have any trouble finding a job.)

ENGLISH GRAMMAR IN USE INTERMEDIATE

また、この文章には、not but 構文があります。

not A but B で「AではなくB」です。

まとめると、is notanything but a heartache で、「心の痛み以外の何ものでもない」になります。

fall apart

fall apart は、「粉々になる、機能しなくなる」です。

fall 「落ちる」のネガティブなイメージを引き継いで、悪いことに使われる表現です。

to break into pieces:
My poor old boots are falling apart.

If an organization, system, or agreement falls apart, it fails or stops working effectively:
The deal fell apart because of a lack of financing.
Their marriage fell apart when she found out about her husband’s affair.

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/fall-apart

No matter

no matter は、文字通りの意味で「問題ない、問題にならない」です。

it is not a problem:
“I don’t have that form with me.” “No matter – here’s another.”

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/no-matter?q=No+matter

「どれだけ~でも関係ない」という意味で、how と一緒に良く使われます。

No matter how far we will be very good.
どれだけ遠くても、私たちはとても良い関係でいることでしょう。

No matter how strong I will get, you are still my weakness.
どれだけ僕が強くなっても、君は僕の弱点でいつづけるだろう。

まとめ

この歌詞のあやふやさは、ネイティブでも理解に苦しんでいることは分かってもらえたかと思います。

上記のツイートを辿って見て貰えれば、「笑っちゃうくらい」わけがわからない、なんて言っている人もいるほどです。

ですが、同じ人が、「素晴らしいのも事実だわ」と言っている通り、20年たっても色あせない名曲であることも疑いようがありません。

あなたも、せっかく気に入ったのであれば、これを機会に英語表現も押さえて、英語力アップを図ってみてはいかがでしょうか。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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