こんにちは、今日はクイーンの有名なあの曲「I was born to love you」です。
愛する人を手に入れるための、求愛の歌です。
あなたの耳にも馴染んでいる歌かとは思いますが、歌詞の意味をじっくり見てみたことはあるでしょうか。
この機会に、文法や表現なども確認してみてください。
文法解説
every single beat
every single ○○で、「ひとつひとつの○○全ての」です。
every single beat なら、「ひとつひとつの鼓動全て」。
every single day なら、「毎日欠かさず / 一日一日全ての日」。
辞書には、every single = each 「それぞれ」とあり、また強調表現であると書いてあります。
つまり、「文字通り全部」という風に捉えておけばOKです。
every single
cambridge dictionary
each:
I don’t need to know every single detail of his life.
(彼の生活に隅から隅まで知りたいわけじゃないんだよ)
Note:
Used for emphasis.
every day と every single day の違いは、ただ every day と言った場合、たとえば週7日のうち、実際は5日しかないかもしれません。
一方、every single day と言えば、本当に週に7日、毎週欠かさずという意味に強調されるわけです。
You are the one
you are the one は、この曲では「運命の人、僕が愛するただ一人の人、僕がずっと探していた人」です。
one は人やモノを指す代名詞です。
the は特定されていることを示す冠詞なので、the one で、「(~という状況からただ一人に特定される)その人」となります。
ラブソングであれば、根底に「君を愛しているよ」という文脈があるので、for me が無くても「運命の人」になります。
the one と言うだけで自動的に、「運命の恋人」のようなロマンチックな意味になるわけではないことに注意してください。
例えば映画「マトリックス」では、ネオが the one と呼ばれていましたが、そこでは「救世主」と訳されていました。
the one が「救世主」になるのは、世界を救える力を持つ人が一人もいなくて、誰もがその力の持ち主の登場を待ち望んでいるからです。
the one と言えば、「(誰もが救世主を望んでいるという状況からただ一人に特定される)その人」となるわけです。
また、特別な状況でなく、日常的にも使われる表現です。
Chris is the one with curly brown hair.
「クリスはくるっとした茶色の髪の人だよ」
例えば40人いる部屋の中で、初対面のクリスを探していて、その中に茶色のカールが一人しかいなければ、クリスを特定できるので the one になるわけです。
このように、文脈から the がどのように特定されているのか、考えるクセをつけるのが、英語上達のコツです。
If I was given every opportunity
この文章には、2つポイントがあります。If I was と every です。
まず、If I was given opportunity ですが、「機会が与えられればいいのに(無い)」です。
これは仮定法の if で、「そうであればいいのに」という願望を表しています。
仮定なので、実際には実現していません。
仮定の if は、be動詞を were にするように学校で習ったかもしれませんが、これは必須ではなく、できるというだけの話に過ぎません。
After if and wish, you can use were instead of was
ENGLISH GRAMMAR IN USE INTERMEDIATE
were にすれば、通常の文法のルールから外れるので、仮定だということを明示できる利点があるというだけです。
次の every は、強調表現で、訳するならば「ありとあらゆる」です。
If I was given every opportunity で、「どんなものでもいい、チャンスがあればいいのに」となります。
この every は日本語にない表現なので、意訳せざるをえません。
例えば英辞朗には、このような訳が載っています。
You have every reason to be angry.
https://ejje.weblio.jp/content/You+have+every+reason+to+be+angry.
お怒りは、もっともです
マクミランには、ただ「強調」と載っています。ただし、every の元の「全ての」と言う意味が失われるわけではない点は留意すべきです。
used before some words for emphasis
https://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/every
every reason/sign/intention etc:
The team has every reason to feel proud after last night’s stunning performance.
The economy shows every sign of making a strong recovery.
We wish you both every happiness in your future life together.
オックスフォードには、「あり得る全ての」と載っています。
all possible
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/every?q=every
We wish you every success.
He had every reason to be angry.
以上から、If I was given every opportunity は、「どんなものでもいいから、チャンスがあればいいのに」となります。
I’d kill for
I would kill for は、「全てを投げ打っても構わないほど欲しい」です。
慣用句になっていますので、「とってもとっても欲しい」というような、強い願望だと捉えればOKです。
wouldは、意思の will の過去形。
現在時制で過去形になっている場合、それは仮定の使い方で、「実際にそれを実行する気はないけれども」という含みが込められます。
意思の「~するつもりだ」という意味はもちろん消えずに残りますので注意。
kill は「殺す」、for は「~のために」。
ですので、I would kill for your love で、「君の愛のためなら、人だって殺しちゃうよ(もちろん殺人を現実に実行するわけはないけどね)」というのが意味の構造です。
日本語の「死ぬほど欲しい」「のどから手が出る」に、とても意味の成り立ちが似ています。これも、実際死ぬ/手が出るわけじゃないので仮定です。
Merriam Webster 英英辞典には、慣用化しているので、「とても欲しい」とシンプルに定義してあります。
Definition of would kill for
merriam webster
: to want very much
I’d kill for hair like hers!
(彼女みたいな髪が、ほんっとうに欲しいわ!!!)
romance
romance は、日本語のロマンスと同じです。
一般的には「ひと夏の恋」など、短い関係を指すようです。
名詞ですが、名詞が動詞として使われる例は無いわけではありません。
例えばグーグルで調べることを日本語で「ググる」という人も多いかと思います。
英語でも、I googled it. などとスラング的な動詞として使われています。
動詞の romance もあるにはありますが、romance with you と整合しません。
Merriam Webster 辞典を引くと、「1.誇張や作り話をする」「2.ロマンチックな考えを心に秘めておく」とあります。
romance verb
intransitive verb1: to exaggerate or invent detail or incident
https://www.merriam-webster.com/dictionary/romance
2: to entertain romantic thoughts or ideas
まとめ
プロポーズに似合いそうな、素敵な歌だと思います。
英語サイトをあちこち見ていると、実際に結婚式の入場歌に使ったなんていう人もいました。
一方で、世界では日本ほどこの曲の知名度は高くないのか、「誰も知らなかったけど」「その曲は聴いたことないけど」というコメントも散見されました。
クイーンというバンドは日本での受け方が特別すごかったようで、彼ら自身も日本に来て「こんなにスター扱いされるとは思ってなかった」なんて言ってたそうです。
今回の解説が、あなたの英語学習のお役に立てば幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。