こんにちは、マサです。
今日は僕の大好きなカントリーから、The Band Perry の If I Die Young の解説です。
カントリーはバイクの旅にマッチしていて、よく聴いていました。
Band Perry はこの曲がホントに好きで、これを聴くためにかけていたようなものです。
テーマが「死」ですので、「何かあれば死んじゃうこともあるよなぁ」と思いながら砂漠や荒野を走っていた僕にはぴったりだったのかもしれません。
美しい歌ですので、ぜひ歌詞をよく理解したうえで聴いてみてください。
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楽曲解釈「If I Die Young」 by The Band Perry
この曲は、死に対していかに向き合うかというテーマを投げかけます。
若いうちに死ぬこと。残された親や周りの者の心境。死を迎えての心の平穏。
この歌の少女は、勇敢に死に向き合い、それを受け入れ、残される者への気遣いを見せます。
その姿勢がなんとも涙を誘います。
興味があれば、そして長文を読む意欲があれば、アメリカのプロテスタント教会の牧師さんがこの歌について語っていますので、ぜひ読んでみて下さい。
この曲への理解がより深められることと思います。(1,600字程度)
冒頭のみ引用
「…冒頭の “If I die young” という言葉は、初めて曲を聴いたときから、ずっと頭の中に響いています。この曲を聴くといつも、あるいは頭に浮かぶといつも、灰の水曜日と Lent のことを考えました。」
One of my new favorite songs this year is “If I Die Young,” by The Band Perry. The opening words, “If I die young,” have been playing over and over in my head since January when I first saw a Sam Tsui cover of it on YouTube. Every time I heard this song, or when it popped back into my head, I’ve thought about Ash Wednesday and I’ve thought about Lent.
Lent Reflection: The Sharp Knife of a Short Life
(曲とは関係ありませんが、Lent とは四旬節と呼ばれ、復活祭(イースター)前の40日間(およそ2月から3月にかけて)、断食などをして身を清めることだそうです。)
教会が公的に取り上げるとは、それだけ If I Die Young の反響が大きかったということかと思います。
グリー(大学の合唱クラブのドラマ)でも歌われていましたし、それで聴いたことがある人もいるでしょう。
文法解説「If I Die Young」 by The Band Perry
Lord make me a rainbow
Lord は、ここでは「主」つまりキリストです。
lord の基本的な意味は、「大きな力を持つ者、領主」で、封建時代の小領主や、王に意見できる貴族たちまでこの lord です。
現代では land lord 「地主」などのように使います。
ですが、この曲は lord が「わたし」を虹にすることや、次の kingdom などで、キリスト教の文脈で書かれていることがわかります。
make は、「人を~にする」です。
「わたし」が死んだら、虹になる。それを行うのはイエスである、ということです。
your kingdom
your kingdom は、「御国(あなた=イエスの王国)」つまり天国です。
天国 heaven と同様に、Kingdom of God という言い方も、キリスト教においては一般的なようです。
「神の国、あるいは天国は、キリスト教においては神が王として治める精神的な領域である。あるいは、地上における神の意思の全うである。新約聖書に頻繁に登場し、主にイエスキリストによりはじめの3つの福音書のなかで用いられる」
Kingdom of God, also called Kingdom Of Heaven, in Christianity, the spiritual realm over which God reigns as king, or the fulfillment on Earth of God’s will. The phrase occurs frequently in the New Testament, primarily used by Jesus Christ in the first three Gospels.
encyclopedia britannica
as green as the ring
as ~ as ○○ は、「○○くらいに~だ」です。
歌詞では、「私は指輪と同じくらい緑だ」という意味になります。
as に挟まれる形容詞は、話してはその度合いを強調したくて、わざわざ as ~ as を使っています。
ですので、「とってもとっても緑だ」と、この歌い手は言いたいわけです。
greenは、ここでは「未熟な」という意味で使われています。
新社会人など、ベテランに対して未熟な者によく使われる、「尻が青い」とよく似た表現になります。
not experienced or trained:
cambridge dictionary
I was very green when I started working there.
まとめると、「私はとっても未熟なまま死にます」ということになります。
直後で「男の愛も知らないまま」や「手を握っただけで嬉しかった」が、この未熟さを具体的に説明しています。
初心な少女の可愛らしさがよく出ていて、微笑ましくて好きな表現です。
また、緑色の宝石エメラルドは、愛や真実、幸福の象徴とされているそうです。
これを解釈に含めれば、「未熟だけど不幸ではなかった。満ち足りて死に向かいます」とも読めるでしょう。
この解釈も、I’ve had just enough time 「十分なときを過ごした」という部分と整合しており自然な解釈と言えます。
Who would have thought
would は仮定法で、意思の will の過去形です。
have thoughtと現在完了が使われていますので、過去のことをいっています。
これは、仮定法のルールで決まっていることで、would do ならば現在の話、would have done ならば過去の話ということになっています。
would は助動詞なので、後ろに動詞の原型しか取れません。なので、do か have done かを使い分けることで、現在と過去を言い分けるのです。
そして、who 「だれが」という疑問詞ですので、Who would have thought 「誰が考えただろうか(誰も思いもしなかったよね)」という意味になります。
severed by the sharp knife
severe は「切り裂く」です。
by は手段や道具を表す前置詞です。
歌詞が離れていますが、the sharp knife of a short life へとつながっています。
Who would have thought forever could be severed by the sharp knife of a short life.
だれが考えただろうか、(永遠に愛すると誓った)その永遠が、こんなにも早く死によって終わりを迎えてしまうだなんて。
I’m a goner
goner は、go の過去分詞形 gone に、「~する人」の er がついて、「行ってしまう人」つまり「もう死んでしまう人」という意味です。
goner
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/goner
a person or thing that has no chance of continuing to live:
I thought I was a goner when I saw that car heading towards me.
まとめ
教会の牧師さんが取り上げるだけあって、キリスト教色の強い歌でした。
でも、信仰のありなしに関わらず、普遍的なテーマだと思いますし、重いテーマが爽やかに、逞しく歌い上げられていて素敵な歌です。
あなたももしこの曲が気に入ったら、頑張ってシャドーイングに挑戦してみてください。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。