ブルーノ マーズの「Just the way you are」の解説です。
いまさら感がありますが、丁寧に文法を見ながら翻訳しました。
結婚式で流したい人もまだまだいるんじゃないでしょうか、綺麗な曲ですよね。
映画 Pitch Perfect で女性のコーラスで歌われるこの曲も、鳥肌ものでした。
振り返ってみると、勉強になる表現がけっこうたくさんありますので、この曲が好きな人は、ぜひ解説を見て、シャドーイングして、英会話のトレーニングをしてみてください。
発音練習「Just the way you are」by Bruno Mars
この曲には the が14回出てきます。
th の発音を集中的に練習してみましょう。
文法解説「Just the way you are」by Bruno Mars
her eyes make the stars look like they’re not shining
make はここでは使役動詞として、「○○にxxさせる」という意味で使われています。
look は「~のように見える」という、印象を伝える動詞として使われています。「見る」ではありません。
印象を伝える動詞は、下記にまとめられます。
印象を伝える動詞 | |||||
---|---|---|---|---|---|
look | appear | sound | seem | feel | |
意味 | ~のように見える | ~のように見える | ~のように思われる | ~のように思われる | ~のように感じられる |
詳細 | 視覚上の印象 | 視覚上の印象 | 話に聞いた人、もの、ことについての印象 | 感覚器官を問わず、見聞きした内容を一度消化した上での印象 | 心の動き 触覚上の印象 |
ニュアンス | しっかり観察した上での判断 | パッと見での判断 実際は違うかもしれないという含みがある | 聞いた内容を消化した上での判断 | 外見、外から観察したことに対する主観的な推量が込められている | 自分の内面について伝える場合が多いが、外からの観察の場合もある |
使われ方 | カジュアル | フォーマル | カジュアル | カジュアル | カジュアル |
後ろにとる単語 | 形容詞 | to 動詞の原形 | 形容詞 | to 動詞の原形 | 形容詞 |
likeをとるか | looks like | × | sounds like | seems like | feels like |
I saw a picture of Yoshi’s new house. It looks really nice.
ヨシの家の写真みたけど、ほんとにいいね。
I’ve only just arrived in this city, but it seems like a really good place to live.
この街についたばかりだけど、住むにはとても良い所みたいだ。
I love going to a hot spring. The hot water feels so good and relaxing.
温泉に行くのが大好きなんだよね。お湯が肌に触れる感じが、気持ちいいしリラックスさせてくれるんだ。
make と look の使い方を総合すると、下記のとおりの意味になります。
her eyes make the stars look like they’re not shining
彼女の目は星々でさえも、まるで輝いていないかのように見えさせる
her hair falls perfectly without her trying
fall は、「落ちる」が転じて「顔にかかる」です。
without は前置詞なので、名詞をとります。
tryは動詞なので、withoutの後に置くには名詞にしてあげないといけないんですが、~ing にすると、「~すること」という名詞にすることができます。
her は、意味上の主語といって、名詞にした try の動作を、誰が(何が)行っているのかを示すものです。
この文章は、主語が her hair なので、try しているのが誰なのかを別に示さないといけないんです。
前髪が顔にかかるのが、彼女が狙ってやっているのではなく、自然だということです。
her hair falls perfectly without her trying
彼女の髪が自然に顔にかかる具合が完璧に美しい
when I compliment her she won’t believe me
compliment は、名詞だと「褒め言葉、受容、賞賛、尊敬」、動詞だと「褒める」です。
I was embarrassed by their compliment.
彼らの褒め言葉に恥ずかしくなった。
I’ll take that as a compliment.
褒め言葉として受け取っておきますね。(ありがとう)
二つ目の例文の「褒め言葉として受け取っておきますね」は、相手が褒めていてもいなくても、前向きに喜ぶ姿勢を見せる表現としてとても便利で、僕もよく使います。
when I compliment her she won’t believe me
ぼくが彼女を褒めても 彼女は真に受けようとしないんだ
do I look ok
上に出てきた the stars look like they’re not shining とおなじ、「~に見える」です。
お化粧や服を選んで着おわって、「どこか変じゃない?」と聞いているということですね。
But every time she asks me do I look ok, I say
でも彼女がちゃんとしてるか聞くたびに ぼくは言うんだ
there’s not a thing that I would change
would を見たら、仮定を疑いましょう。
これも仮定です。
仮定は、現実にはあり得ないこと、そのつもりがないという気持ちを、わざと過去形にすることで表現する方法です。
I will change だと、「変えてやる」という意思が感じられる表現になります。
これを would にすることで、この文脈では「変えようなんて思うわけがないよ」という気持ちをブルーノは言っているわけです。
there’s not a thing that I would change
変えるところなんて一つもないよ(きみは完璧だから)
I could kiss them all day if she let me
この could も仮定です。
「丸一日キスし続けるなんてことは現実には彼女がさせてくれないけど、ぼく自身はやろうと思えばできちゃうよ」ということです。
if 説の let は、let-let-let と不規則活用なのでわかりにくいですが、仮定法ですので過去形です。
them は、唇です。
2つセットで機能するものは、ふつうは複数形で呼ぶので、代名詞も複数形になります。
lips「唇」glasses「眼鏡」scissors「はさみ」trousers「パンツ」
I could kiss them all day if she let me
もし彼女がさせてくれたなら 一日中だってキスできるよ
I‘d never ask you to change
この d は wouldで、こちらも仮定になります。
will, would は、基本的には「意思」という意味で捉えましょう。
I will ask you to change 「変わってくれるように頼むつもりだよ」なんてことはありえないよ、ということですね。
I’d never ask you to change
変わってくれなんて絶対に言わないよ
don’t even bother asking if you look ok
bother はここでは、try と同じような意味で使われています。
「心配させる、いらいらさせる、迷惑をかける」などの意味もある、ネガティブな言葉なので、try として意味をとると「わざわざ~しようとする」という感じになります。
名詞でも動詞でもあります。
まとめ
今回も名曲に聞き惚れながら、楽しく翻訳させてもらいました。
あなたが「難しい単語を使っていないのになかなか難しいよね」ともし思ったならば、それは良い傾向です。
ネイティブだって、日常で難語をバンバン使ったりしないんです。
使われる頻度の高い単語だけ使えるようになれば、会話はできるようになります。
洋楽シャドーイングは、そのための訓練にぴったりです。
好きな曲を楽しみながら、同時に英語力もアップなんて、最高じゃありませんか?