Shawn Mendes, Camila Cabello の「Señorita」(セニョリータ)を、解説しています。
内容をより深く理解して、もっと洋楽を楽しみましょう。
文法も解説していますので、英語学習にもどうぞ。
南国リゾートマイアミでの運命の出会いから、燃えるような夜を過ごして、恋をしてしまう女性とクールな男性のすれ違いを、セクシーに歌い上げています。
情熱的なラテンの血が感じられて、大好きな曲です。
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発音特訓「Señorita」by Shawn Mendes, Camila Cabello
今回の曲には、L が92回出てきます。
love と la la la と call で、L の発音を集中的に特訓してみましょう。
文法解説「Señorita」by Shawn Mendes, Camila Cabello
I wish I could pretend I didn’t need ya
仮定法で、「あなたが要らないふりをできればいいのに、実際はできない」という意味を表しています。
仮定法は、現在時制で現在のことを話しているときに、あえて過去形を使います。
過去形にすることで、実際はあり得ない、もしくはするつもりがない気持ちを込めることができます。
I wish I could まで聞いた時点で、「仮の話をしてるんだな」と判断できるので、「そうしたいけどできなくて、もどかしく思っているんだな」という心構えで、「あなたが要らないふりをする」を読めば意味がつかめます。
定型表現として I wish I could 「~できればいいのに(できない)」と覚えてしまってもいいと思います。
ただ、不自然さから仮定と判断すべき、つまりwish が現在形なのに、 could が過去形であるというおかしさから仮定と判断すべきなので、暗記で済ませてしまうと応用は利かなくなります。
また I didn’t need ya の did は、could に引っ張られて時制が一致しているだけなので、過去の話をしているわけではないことに注意しましょう。
I wish I could pretend I didn’t need ya
あなたなんて必要ない、なんてふりができればいいのに(そんなふりもできないほどあなたに夢中なの)
こちらも同じ仮定ですね。
I wish it wasn’t so damn hard to leave ya
あなたから離れることが、こんなにも難しくなければよかったのに(離れることができなくて悔しい)
I should be running
こちらも仮定で、「本当はもう逃げ出しているべきなのに、(あなたに引き寄せられてしまうから)できない」という意味になります。
学校では if や wish とセットで仮定法を習ったかもしれませんが、必ずセットで使われるわけではありません。
should, would, might, could を見たら、「仮の話をしてるんじゃないのか?」と疑う癖をつけるといいですね。
単文だと判断は付きにくいですが、会話や小説などであれば、前後の文脈からも判断できます。
仮定は、「こうだったらいいのにと思っているけど、現実は違っている、あぁ悲しい/嬉しい」という気持ちがまず先にあって、その気持ちから発せられる言葉です。
セリフの裏まで読む癖をつけると、仮定の理解がはかどるでしょう。
Ooh I should be running
本当は逃げ出しているべきなのに(あなたの魅力が強すぎて離れることができない)
you keep me coming for ya
この come は、「近づいていく」というのが元々の意味になります。
例えば、人に呼ばれて “I’m coming!” 「今行くよ」などというのと同じですね。
視点が ya「あなた」にあるので、彼から見れば話し手の Camila が近づいていくわけです。
また、keep someone doing は、人に do させ続けるという意味です。
そこから、「あなたが私をあなたに向かって引き寄せ続ける」というのが全体の意味になります。
Ooh you keep me coming for ya
あなたは(その魅力で)私をあなたに向かって引き寄せ続けているのよ
And sweat dripping off me
この off は、「離脱」の意味で使われています。
sweat is dripping だけでも意味は通じますが、 me をつけると、sweat と me の位置関係を示すための前置詞 off が必要になります。
これで、「俺から滴り落ちる汗」となります。
dripping 以下は sweat を修飾して、全体で名詞句になっています。
Sweat dripping off me
俺から滴り落ちる汗
we danced for hours in the sand
この in は、砂に足が沈んでいるニュアンスです。
コンクリートや木の床であれば on であって、in はあり得ません。
in と on のニュアンスの違いは下記のようになります。
A child is playing in the sand.
子供が砂遊びをしている
A child is playing on the sand.
こどもが砂の上に座って(ゲームか何かで)遊んでいる
ビーチでダンスをすれば、当然足は砂を掘り沈むでしょうから、この歌詞のケースでは、感覚的に on the sand はあり得ないということになります。
we danced for hours in the sand
砂浜で(足を砂に取られながら)何時間も踊ったね
her body fit right in my hands
この right は、「上手く、正しく」などの意味で使われています。
fit in my hands だけでも意味は通じますが、right が入ることで、「本当にしっくりくるんだ」と強調されます。
her body fit right in my hands
彼女の体が手にとてもよく馴染む
All along I’ve been coming for ya
all along は、「はじめから」「ずっと」などの意味です。
along が「沿って」ですから、all が付いて、「ものごとの過程すべてに沿って」⇒「はじめから」「ずっと」と、暗記せずとも意味を導けますね。
I’ve been coming は、現在完了進行形で、Camila が Shawn に近づき続けている状況を表しています。
I have came と比べると、下記のようになります。
I have came for you.
あなたの元にやってきた(今もあなたの元にいる)
I have been coming for you.
あなたの元へ向かい続けている、向かっている最中だ
総合すると、下記のようになります。
まとめ
Camila が歌う女性は、恋に抗えずに、クールな Shawn に苦しめられますが、決して恨んだりしているわけでもなく、すっきりしているところが良いですね。
その分、情熱とか、好きでたまらない感じとか、セクシーな雰囲気に浸ることができて、爽やかに聞けるところが好きです。
文法的にも、勉強になるところが多い一方で、難しい単語が無いので、シャドーイングデビューにぴったりかと思います。
ぜひ、この曲で英会話のレベルアップに挑戦してみてください。