洋楽和訳・解説「Thinking Out Loud」淡々と深い愛を語るまったりラブソング

エド シーランの「Thinking Out Loud」の解説です。

恋人に淡々と愛を語るような曲調で、ゆったりくつろぎながら聴きたい一曲です。

ステディな永遠の愛を語っているので、結婚式にもぴったりですね。

歌詞の内容は、静かな情熱を湛えていて、表現も独特の面白いものが沢山あります。

解説を見て、より歌の世界を愉しんでください。

文法解説「Thinking Out Loud」by Ed Sheeran

When your legs don’t work like they used to before

legs は「脚」です。通常2つでセットなものは、通常複数形 legs というふうに言います。

眼鏡 glasses パンツ trousers pants はさみ scissors  目 eyes 耳 ears

この legs は次の sweep you off your feet にかかってますね。

注:legs は股から足までの部分 foot(複数 feet)は足首からつま先の部分

work は、「機能する」と言う意味で使われています。

used toは、「昔は~していた(今はしていない)」と、「慣れる」の2つの意味があります。

when で今じゃない時の話をしています。

脚が機能しなくなるということは、そうとう年老いてよぼよぼになった頃の話ということです。

そのときには、「今」や「元気なうちという近い未来」に動いている脚も動かなくなるということで、状態の変化の used to 「昔は~していた(今はしていない)」の意味で使われています。

When your legs don’t work like they used to before
きみの脚が、それまでみたいに動かなくなっても

And I can’t sweep you off of your feet

off feet で、「足が地面から浮いている」状態です。

なんらかの動詞とくっつけば、「足を浮かせる」意味になります。

sweep は、ほうきで掃くような動きなので、sweep you off your feet で「抱き上げる」になります。

そして、idiom として、「惚れさせる」という意味もあります。

sweep someone off their feet
1. to have a strong effect on someone so that they quickly become attracted to you
He was hoping to sweep her off her feet, but she just laughed.

2. to lift someone
The wind almost swept us off our feet.

Macmillan dictionary

off of はまだ新しい言葉のようで、文法的に誤りだという人もいます。

off だけ使っておけば間違いないよ、といっている人がいらっしゃるので、喋るときはこの方針が良さそうです。

 In the U.S., there is a subtle difference between them (but you can always use “off” and be correct)

StackExchange

辞書でも、同じ意味として扱われています。

off of
: OFF

Merriam Webster

And I can’t sweep you off of your feet
ぼくがきみを抱き上げて 夢中にさせることができなくなっても

And baby my heart could still fall as hard at 23

fall hard は fall in love と似た表現で、「一目ぼれ」です。

fall hard
To fall quickly and deeply in love or infatuation with someone. A crush.

Urban dictionary

曲ではmy heart falls as hard at 23となっているので、直接この意味というよりは文字っている感じです。

「23歳のような若いときと同じくらい激しく心臓が落ちて一目ぼれをする」という意味になるでしょう。

could は、現実の話じゃないので、仮定の could です。

And baby my heart could still fall as hard at 23
23のときのように ドキドキできるはずさ

Will your eyes still smile from your cheeks

mouth remembers the taste of love と一緒で、普通に言われる表現ではなく、歌詞としての詩的な表現です。

心から笑うと、目も笑うというのは日本語でもいいますので、「顔一杯で笑う」と訳しました。

Will your eyes still smile from your cheeks
きみはまだ 顔いっぱいに笑ってるかな

I’m thinking out loud

曲のタイトルにもなっている think out loud は、「思ったことをそのまま口に出しちゃう」です。

「分別があるか、有益かを考える時間を取らずにすぐさま」と書いてありますね。

think out loud
to say something as soon as it comes into your mind, without waiting to consider if it is sensible or useful
Take no notice, I’m just thinking out loud.

Macmillan dictionary

ちなみに、think something out で、「考えうるすべてのことを考慮する」です。

think sth out
to consider all the possible details of something:

Cambridge dictionary

out が「頭の中から出す」、loud 「うるさい」の組み合わせで、think out loud 「思ったことをそのまま口に出しちゃう」となっています。

think は普通頭の中の働きですが、out loud で、聴覚的な働きに変換されています。

「口をついて出ていることだから、多少変なことも言ってるかもしれないけど、嘘や飾りのない本心からの気持ちなんだよ」というわけです。

それが、この甘いラブソングをより甘くしています。

I’m thinking out loud
思いつくままにしゃべってるのさ

ちなみに、この喋っている場所、そして彼らが愛を見つけた場所は、千の星が見える、丘の上かなにか見晴らしのいい場所だという想像が容易につきます。

英語は日本語よりも、頭の中に視覚的な絵を描いて話される言語です。

歌なのでただのイメージだよ、という解釈を否定することもできませんが、実際にそこにいるんだなと頭に描いて聴くと理解が深まると僕は思っています。

この場所にはよっぽどよく2人で来ているんだろうなとか、ここで出会ったのかなとか、思い出の場所に違いないなとか、想像が膨らんで楽しめます。

節全体としても、脚でよぼよぼのおじいちゃんおばあちゃんをまず視覚的にイメージさせています。

シワシワの唇や目じりも、mouth eyes と歌うことでイメージを浮かばせて、そんなに年老いても、まだ愛し合っているんだよという優しく暖かい愛情を、より具体的に語っているんですね。

When my hair’s all but gone and my memory fades

all butは「ほとんど」(almost) のケースと、「~以外」(except) のケースがあります。

The game was all but over when I left.
私が去ったときゲームはほとんど終わっていた。

The shipwrecked people were rescued all but one. only one person died.
その難破した人々は、一人を除いて救助された。一人だけが死亡した。

髪の毛のケースでは「ほとんど」となります。

When my hair’s all but gone and my memory fades
ぼくの髪がほとんどなくなって 記憶がうすれても

‘Cause honey your soul can never grow old, it’s evergreen

evergreen は、元の意味は「常緑樹」です。

葉が枯れ落ちず、一年中緑であることから、「不朽の 枯れない 変わらない 色あせない」という意味でも使われます。

evergreen の単語を覚えられるようにと考えて、「常緑樹」では味も色気もないので、おなじ意味のある「常盤木 ときわぎ」としました。

‘Cause honey your soul can never grow old, it’s evergreen
だってきみの魂は 決して老いない ときわ木だから

Maybe it’s all part of a plan

part of a plan は特に慣用表現ではないようですが、直訳すれば「計画の一部」です。

アメリカ人の友人に聞いてみたところ、part of a plan は destiny「運命」として、頭の中で自動的に変換されるそうです。

キリスト教的に、あるいは西洋文化(western culture)的に考えれば、神が人生に介在するのは当然で、part of a plan は、part of a plan of GOD なのです。

彼らとしては、運命は greater being「人間より上位の存在」が決めているものという考えが当然のようにあるとのことです。

Maybe it’s all part of a plan
すべて初めから決められていることなのかもね / 運命かもね

Hoping that you’ll understand

understand は「理解する」ですが、その訳だとちょっとしっくりこないので、「許す」としました。

understand は、根本的な意味として「近くにあること」と言えるそうです。

understand (v.)
— Perhaps the ultimate sense is “be close to;”

Online Etymology dictionary

そして、語幹となっている stand には、abide「我慢する」という意味もあります。

stand (v.)
Old English standan “occupy a place; stand firm; congeal; stay, continue, abide; be valid, be, exist, take place; oppose, resist attack; stand up, be on one’s feet; consist, amount to”

Online Etymology dictionary

なので、understand を、「我慢してそばにいてあげるよ」つまり「許す」とすることは許容範囲でしょう。

Hoping that you’ll understand
許してくれるといいな

まとめ

優しい気持ちで聞ける素敵な歌でしたね。

しゃべりもゆっくりなので、シャドーイングにもぴったりではないでしょうか。

歌詞として工夫された表現も多いので、英語のセンスも磨けると思います。

甘いラブソングを愉しみながら、英語力アップを目指してみてください。

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