洋楽和訳解説 Coldplay – Yellow イエローとは何を指すのか?歌詞の解釈は??

イエローとは愛を指しているという意見が多くあります。

その意見が正しいかどうかは問題ではなく、どう楽しんで聴くのか、そのためにどう解釈するのかが大切だと僕は思います。

解釈の幅を広げられるように、海外の解釈を紹介したり文法を解説しています。

この記事を読んで、よりこの美しい曲を楽しむ助けにしてもらえれば幸いです。

楽曲解釈 Coldplay – Yellow

イエローに意味は無い

この曲は、とにかく「イエローって何のことなんだ?」という疑問に尽きます。

そしてボーカルのChris Martinによれば、「イエローに意味は無い」とのことです。

Martin went on to further explain that the word “yellow” has absolutely no meaning whatsoever and while writing the rest of the song he tried his best to change “yellow” to something else since every lyric before yellow made no sense but in the end the word “yellow” just sounded right.

https://www.thisdayinmusic.com/artists/coldplay/

「マーティンは更に説明を続けた。イエローという言葉は、完全になんの意味も無い。曲の残りの部分を書いているときに、彼はイエローを何か別の言葉に置き換えようと全力を尽くした。なぜならイエローの前の歌詞はまったく意味をなさなかったからだ。しかし結局のところ、イエローという言葉の響きがもっともしっくり納まったのだった。」

リンク先を読みすすめると、過去にはインタビューを進めるためにいろいろ作り話もしたとも言っているので、これが最終的なMartinの答えと思って差し支えないでしょう。

意味が無いからこそ、様々な受け取り方がある

このことが、聴き手に多様な楽しみ方を提供しています。

ひとつだけ僕の好きな解釈を紹介します。

彼は、イエローは「無償の愛」であると言います。

When I listen to this song I think of my little boy. He is now seven years old. He was born with highly functioning autism – aspergers. Although he has a “disability” he is the most special, beautiful, miraculous thing that has ever happened to me. I am a single dad and for the longest time it was just us. As the lyrics of this song go, I would do anything and everything for him… for his happiness. It’s been hard at times and we’ve had to sacrifice a lot but everything was worth it. This song will always make me think of him. I dedicate it to him.
“Yellow” is essentially about the undying selfless love one person feels for another. Be it a spouse, dear friend, mother, father, daughter, or son, etc.

https://songmeanings.com/songs/view/36691/

「この曲を聴くとき、私は7歳の息子を思い浮かべる。彼は高度な自閉症(アスペルガー)をもって生まれてきた。彼はいわゆる障害を持っているけれども、私の人生に起きたことでもっとも特別で、美しくて、奇跡的なことだ。我が家は父と子だけで、長いこと、私たち二人きりだった。この歌の歌詞が言っているとおり、私は彼のためなら…彼の幸せのためなら、何でも、あらゆることをするつもりがある。子育ては時に辛かったがし、私たちはたくさんのものを犠牲にしなければならなかったが、全ては価値のあることだった。この歌は、この先も息子のことを思い浮かべさせることだろう。私はこの歌を息子に捧げる。
”Yellow”は本質的に、人が人に対して抱く、不滅で無私の愛のことだ。配偶者や親友、母親、父親、娘や息子などに当てはめればいい。」

父親の慈愛が感じられる素敵な文章です。

人それぞれにストーリーがあるから、受け取り方も違ってくる。この歌はそういう歌です。

あなたにとって、無償の愛とは誰のことでしょう。

その人のことを思い浮かべて、もう一度、聴いてみてください。

ちなみに僕としては、この歌は「過去の愛」のように聞こえます。

まず、yellow の部分が全て過去形になっていること。

また、skin and bones が something beautiful に変わるという部分が、死後肉体が地に還ることを彷彿とさせること。

相手が死にかけている、あるいは遺体を前にしているような感じがします。

その上で、相手と愛し合ったことに感謝して、その愛や相手を讃えて、beautiful と言っているような気がします。

文法解説 Coldplay – Yellow

come along

come along は色々な意味があります。

  • 到着する、(ある場所に)現れる
  • 一緒にいく
  • 生まれる、存在しはじめる
  • 改善する、進歩する

to arrive or appear at a place:
Go now and I’ll come along later.

to go somewhere with someone:
We’re going to the cinema. Do you want to come along?

to start to exist:
I gave up climbing when my first child came along.

to advance or improve:
How’s your English coming along?

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/come-along

当サイトでは「一緒にいく」を採用しました。

I came along「(きみと)ここまでやってきた」

what a thing

この what は「なんて~なんだ!!」という、感情の強さを表現するための感嘆詞です。

what そのものに良い意味・悪い意味はなく、文脈により、どちらの場合もあります。

What a gorgeous room/dress/colour!
なんて豪華な部屋/ドレス/色なんだ!

What a damn fool thing to do!
なんて愚かな行動だ!

歌全体がどうとでも取れるものなので、「とっても大変だ」「とってもひどい」「とってもすばらしい」など、あなたの読みたいように自由に解釈してもらえればと思います。

なお、thing to do で「すること、行い、行動」。

thing to have done で「過去にしたこと」です。

all

all は「全部の、すべての」のほかに、「全くもって、完全に」という意味でも使われます。

used for emphasizing that something is completely true

I’m all in favour of giving children more freedom.
(僕は子供により多くの自由を与えることに、完全に賛成だ)
Now we’re going to be late, and it’s all because of you.

(俺たちは遅刻だ、完全におまえのせいだぞ)

https://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/all_1

当サイトでは、「全部の」と「完全に」を場所によって訳し分けています。

文法的には、「全部の、すべての」のときの all は限定詞もしくは代名詞です。

限定詞は名詞の前に置かれる品詞で、その名詞が示すものを明らかにする働きをします。

「全く、完全に」のときの all は副詞です。

副詞は動詞・形容詞・副詞を修飾します。

Yellow は名詞「黄色という色」、形容詞「黄色い」いずれもありますので、これだけ考えれば、「全部の」でも「完全に」でも、好きな場所を自由に訳すことができます。

ですが、歌詞では主語が they の部分と it の部分があります。

”they were all yellow”

”it was all yellow”

主語が they のときは、複数ですので「全部」が当てはまる可能性があります。

ですが主語が it のときは、単数ですので「完全に」のみが当てはまります。

このように訳し分けています。

skin and bones

skin は、ここでは不可算名詞なので s が付いていません。

人の肌や果物の皮などの意味で使われるときは、全体で「肌」であり、数えたりしないので不可算名詞です。

可算名詞のときもあります。

猟で狩った動物の皮は、一枚二枚と数えられるので可算名詞になります。

ちなみに歌の解釈の話ですが、肌は表面、骨は体内にありますので、これを外見と内面/精神(=きみの全て)として捉える人も国内外ともにいます。

Turn into

turn into は「~に変化する」です。

into 自体に、変質するという意味が含まれています。

to change or develop from one thing to another:
Rain in the morning will turn into snow during the afternoon.

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/turn-into-something?q=turn+into

drew a line

draw a line で、「線を引く」というのが文字通りの意味ですが、日本語と同じく慣用句としての意味もあります。

to put a limit on what you will do or allow to happen, esp. because you feel something is wrong:
I’ll do whatever my company asks me to, but I draw the line when someone asks me to lie for them.
(会社がやれと言うことはなんでもやるけど、嘘をつけといわれたら、それはやってはいけないこととしてはっきり区別するよ)

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/draw-the-line

まとめ

この曲を聴いていると、心が浄化されるような気がします。

あなたはどうでしょうか。

もしあなたもそうなら、ついでに文法や表現も覚えて、英語力をアップさせてみてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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